政敵排除や選挙結果操作...欧州の隣でやりたい放題の「独裁者」を、EUやアメリカが支持する理由
自由の抑圧による代償を意識させよ
また、EUはトルコとの関税同盟改定交渉を一時停止すべきだ。トルコ側は貿易拡大を望んでいるが、その権益は人権と民主主義の改善に寄与するものでなければならない。
同時に、EUの安全保障戦略にトルコを関与させることにも反対すべきだ。ヨーロッパの民主的価値観が、専制国家からの調達網構築によって損なわれることがあってはならない。
最後に、アメリカはドローンなどのトルコ製兵器システムの販売先を、米国防総省およびNATO加盟国の承認を受けた組織に限定する措置を検討すべきだ。エルドアンがトルコの防衛産業を経済の牽引役にしようとする野望を阻止できるだろう。
このようなNATO加盟国の動きが、エルドアンに対し、自由の抑圧がもたらす「代償」について考え直させるきっかけになるにちがいない。
[筆者]
シナン・ジディ(Sinan Ciddi)
米シンクタンク、民主主義防衛財団(Foundation for Defense of Democracies、FDD)のシニアフェロー。
タイラー・ステイプルトン(Tyler Stapleton)
ロビー活動などを行う民主主義防衛財団アクション(Foundation for Defense of Democracies Action、FDD Action)の議会渉外担当ディレクター。
(本稿で示された見解は筆者個人によるものです)
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