トランプ支持者の「優しさ」に触れて...ワシントンで見た、反対派との議論で「溝が埋まる」瞬間【トランプ集会ルポ】

A RECONCILIATION

2025年1月29日(水)15時03分
岡田光世(ニューヨーク在住作家)

中継イベントに参加するため床で仮眠を取るトランプ支持者

中継イベントに参加するため床で仮眠を取るトランプ支持者 MITSUYO OKADA

夕方、一連の就任式の行事を終えたトランプが、競技場で待つ支持者の前に姿を見せると、スーパースター登場とばかりに会場は大きな歓声と拍手に包まれ、高揚感は頂点に達する。

伝統的に就任式の後に屋外で実施されるパレードも今回は寒さのため取りやめとなり、代わりに同会場で行われた。トランプはパレード観賞後、再び演説してから、支持者が見守るなか、一部の大統領令に署名した。イベントが終わったのは午後7時だった。

【関連記事】トランプ氏初日、相次ぐ大統領令...「パリ協定脱退」から「旗の掲揚」まで


支持者とアンチの「対話」

今回の取材で忘れられないのが集会前日の18日夜、宿のロビーで前出の反トランプ派の女性3人の会話に私が加わった時のことだ。その日の抗議集会に「I HATE DONALD TRUMP(私はドナルド・トランプを嫌悪する)」と書かれたTシャツを着て参加したという。

トランプが支持された理由を尋ねると、「インフレによる物価高、教育の欠如、政治システムに対する無知、マイノリティーや移民に対する脅威」と答えた。

私がこれまでに共和党と民主党の支持者の多くに耳を傾けてきた感触では、双方のマジョリティーが求めるものに大きな隔たりはない。

例えば移民についてはどちらも、「生命に関わる難民・亡命は別として、国境をオープンにするべきではない。入国前に命を落とす人も多い」と考えている。

トランプ支持者のほとんどは「移民ではなく不法移民に反対なんだ。アメリカは移民の国。僕らの祖先も移民だ」と言う。

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