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セミだけじゃない! 17年ぶりに全米が「ベニファー」に大騒ぎする理由

Actually We Love Bennifer

2021年6月4日(金)20時55分
ヘザー・シュウィドル
アフレックとロペス(2003年7月)

熱々カップルだったアフレックとロペス(写真は2003年7月) BACKGRID/AFLO

<「元祖バカップル復活か?」のニュースを、暗い話が続いていたアメリカの国民が熱烈歓迎>

アメリカは今、17年周期で大量発生するセミの話題でもちきりだ。だが、17年ぶりに姿を見せつつあるのはセミだけではない。かつて全米の話題をさらった俳優ベン・アフレックと歌手ジェニファー・ロペスの大物カップルが復活しそうなのだ。

噂に火が付いたのは4月末。女優ジェニファー・ガーナーと12年間の結婚生活後、何人かの女優と交際してきたアフレックと、球界のスーパースターであるアレックス・ロドリゲスとの婚約解消を発表したばかりのロペスが、ロサンゼルスで一緒にいるところを目撃された。

そして5月、2人はモンタナ州のリゾートで1週間余り一緒に過ごしているところをパパラッチされた。どちらも正式には復縁を認めていないが、ロペスに近い筋は娯楽系メディアに対し、ロペスは「ベンと楽しい時間を過ごした」とか「(2人の)相性は最高」と語っている。

このニュースに全米は異様な盛り上がりを見せている。女性向けゴシップサイトは、「いい時代がやって来る前触れだ」とまで持ち上げた。コロナ禍で重いニュースが1年以上続いただけに、アメリカ人はこの夏、アフレックとロペスがいちゃつく姿を、喜んで眺める気満々のようだ。

ちょっと考えると、これは奇妙な現象だ。確かに17年前、このカップルはメディアに「ベニファー」とあだ名され、社会現象的な話題となった。だが、必ずしも好意的に見られていたわけではない。むしろ、その熱々ぶり故に「バカップル」と揶揄され、物笑いの種になっていた。

メディアの注目を逆手に取って

いったい何があったのか。17年ぶりのブームを前に、少し記憶を整理しておこう。

アフレックとロペスの出会いは2002年、共演する映画『ジーリ』の撮影中だった。6月に、ロペスがバックダンサーで2人目の夫クリス・ジャッドとの離婚を申請すると、2人は正式に交際を発表。たちまち全米の好奇の目にさらされるようになった。

スマートフォンやソーシャルメディアの登場によって、今でこそニュースの現場に居合わせた一般人の写真や動画が広まることも増えたが、当時はそのどちらもなかった。代わりにタブロイド紙やゴシップ雑誌(と、こうしたメディアに写真を供給するパパラッチ)が、ターゲットと定めたスターを執拗に追い回し、小さなエピソードもセンセーショナルに書き立てた。

そんな状況を逆手に取って、ロペスは02年11月に公開されたシングル「ジェニー・フロム・ザ・ブロック」のミュージックビデオ(MV)でアフレックと共演。パパラッチが盗み撮りしたような写真や動画をふんだんに盛り込んだ。

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