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セミだけじゃない! 17年ぶりに全米が「ベニファー」に大騒ぎする理由

Actually We Love Bennifer

2021年6月4日(金)20時55分
ヘザー・シュウィドル

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アフレックとロペスが再接近している(2021年5月) FRED PROUSERーREUTERS

レストランでもガソリンスタンドでも、2人は熱々。なかでも豪華ヨットの甲板に横になり、アフレックがロペスのお尻を優しくなでて、軽くキスするシーンは、バカップルの真骨頂として、当時20歳前後だったミレニアル世代の脳に永遠に刻み込まれた。

ただ、このあたりから、ベニファーは苦笑の的から批判の的にもなっていく。「ジェニー・フロム・ザ・ブロック」は、ロペスが大スターになっても、プエルトリコ系の貧しい家庭出身というルーツを忘れないことを歌った曲だが、MVにその気配はない。むしろド派手な生活を見せびらかしているくせに、プライバシーがないと嘆く身勝手なスターという批判が強くなっていった。

このMVは、俳優としてのアフレックのキャリアも傷つけたと言われる。男性ミュージシャンがセクシー美女をはべらせているMVはよくあるが、アフレックはその男版に成り下がったというのだ。

確かにベニファーは、2人の関係を隠そうとしているようには見えなかった。ロペスは「ジェニー・フロム・ザ・ブロック」のMV公開時期に、大手テレビ局のインタビューを受け、アフレックとの婚約を明かした。その左手薬指には、巨大なピンクダイヤモンドの指輪が光っていた。

結婚式を前日に取りやめ

アフレックはロペスに、10万ドルの宝石をちりばめた、トイレの便座をプレゼントしたとも噂される(ただしアフレックは認めていない)。やることなすこと華やかで過剰で、どこかまぬけな大スター2人の言動は、タブロイドの格好のターゲットだった。

だが大き過ぎる世間の関心は、2人の関係に緊張をもたらさざるを得なかった。03年8月に公開された『ジーリ』の興行にもダメージを与えた。映画評論家たちにコテンパンにこき下ろされただけでなく、既に全米がベニファーに食傷気味になっていたのだ。

タイミングが悪いことに、2人は『ジーリ』の公開1カ月後に結婚式を挙げる予定だった。だが映画の大コケが明らかになり、ベニファーに対する逆風も強くなるなか、前日になって式の取りやめが発表された。理由は「メディアの過度の注目」だった。

その後、一時は和解も報じられたが、2人は04年1月に正式に破局を発表した。その17年後の今年1月、アフレックは当時のメディアの熱狂と嘲笑を振り返り、その一部はロペスに対する性差別や人種差別だったと語っている。

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