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感染症対策EU各国でコロナワクチン接種開始 高齢者や医療関係者を優先
欧州連合(EU)加盟国で、新型コロナウイルスのワクチン接種が本格的に始まった。写真はパリ近郊の病院で接種を受ける78歳の女性。代表撮影(2020年 ロイター)
欧州連合(EU)加盟国で27日、新型コロナウイルスのワクチン接種が本格的に始まった。米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンをまず高齢者や医療関係者に投与する。
スペインで最初にワクチン接種を受けたのは、マドリード近郊の介護施設に住む96歳の女性。「ありがたい。これでウイルスがなくなるか注目していきたい」と語った。
欧州で最初に大規模な集団感染が発生したイタリアでは、29歳の看護婦など、医療関係者3人がワクチンを接種。看護婦は「これが終わりの始まりになる。歴史的な瞬間で興奮している」とコメントした。
EUの人口は約4億5000万人。年内に1250万回(625万人)分のワクチンを受け取る予定だ。
EUは、米モデルナ、英アストラゼネカなどからも計20億回分以上のワクチンを確保している。来年中にすべての成人に投与することを目指す。
フランスやポーランドなどの世論調査によると、ワクチン接種に消極的な人も少なくないが、EU首脳は日常生活を取り戻す上で最高のチャンスになると訴えている。
今月、新型コロナ検査で陽性反応が出たフランスのマクロン大統領は「われわれはワクチンという新しい武器を手に入れた」と表明。同大統領は24日に自主隔離期間を終えた。
ポーランドの首都ワルシャワの教会で礼拝を終えた41歳の市民は「歴史上これほど早く臨床試験が終わったワクチンはない。自分は効果が実証されないワクチンを接種したくないし、子供にも接種させたくない」と語った。
ファイザーとビオンテックが共同開発したワクチンは摂氏マイナス70度前後での保存が必要。ドイツでは、約1000回分のワクチンの保存温度が輸送中に摂氏マイナス70度を上回った可能性があることが判明し、一部の都市への配布に遅れが出ている。
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