最新記事

感染第2波

米テキサス・フロリダ、コロナ感染急増で制限復活 バーなど再休業

2020年6月27日(土)11時01分

米テキサス州のアボット知事は26日、州内で新型コロナウイルス感染が急増していることを踏まえ、バーの営業を現地時間の同日正午に停止し、レストランは入店する客数を50%に制限するよう命じた。写真はテキサス州のバーの様子。5月撮影(2020年 ロイター/Adrees Latif)

米テキサス、フロリダ州当局は26日、新型コロナウイルス感染の急増を踏まえ、バーの営業停止やレストランの入店制限強化などを命じた。両州は新型コロナ流行で休止状態にあった経済活動の再開に向け、早い段階で制限措置の解除に踏み切っており、この日の感染拡大抑制策の再導入は大きな後退を意味する。

テキサス州のアボット知事は、現地時間の同日正午にバーの営業を停止するよう命じた。アルコールが総売り上げの51%を占める全てのバーが対象となる。テイクアウトでのサービスは許される。

レストランについては、店内への入店客数を50%に制限。これまでは75%が認められていた。

アボット知事は「新型コロナ検査で陽性率が10%を超えた場合、テキサス州は感染拡大防止に向けた追加措置を講じるとすでに表明している」とし、「今回の感染の増加はバーに集まるなどの特定の行動が主要因であることは明白」と述べた。

フロリダ州でもバーなどでのアルコール類提供が禁止された。

フロリダではこの日、一日の新規感染者数が8942人に達し、これまでの最多を更新。テキサスでも前日最多となる5996人の感染が確認され、入院者数も急増している。

これら2州に加え、カリフォルニアやアリゾナ、アラバマ、アイダホ、ミシシッピ、ミズーリ、ネバダ、オクラホマ、サウスカロライナ、ワイオミングの各州でも今週に入り、新規感染者が過去最多を記録している。

全米の感染者数は25日、4万0751人増加した。

テキサスではまた、川・急流下りなどのレジャー事業を禁止する方針が示されたほか、認可なしに行われる100人以上が集まる屋外での集会の大半が禁止された。

同州の州都オースティンの市長は、病院の収容能力が脅かされていることを指摘し、アボット州知事が州民にマスク着用を義務付けないことを批判した。

一時は米国の新型コロナ震源地だったニューヨーク州のクオモ知事は、新型コロナの感染拡大を抑制する前に経済を再開した州を批判。ホワイトハウスの指針に従った州で感染者の急増が見られ、これらの州が過ちを犯した「明白かつ反論の余地のない証拠」があると主張した。

さらに、ニューヨーク州の新型コロナ検査数に対する陽性者の割合(陽性率)が国内で最低水準になったことも明らかにした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・コロナに感染して免疫ができたら再度感染することはない?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・今年は海やプールで泳いでもいいのか?──検証
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相、初閣議で経済対策指示へ ガソリン減税と「

ビジネス

米GM、通年利益見通し引き上げ 関税の影響額予想を

ワールド

インタビュー:高市新政権、「なんちゃって連立」で変

ワールド

サルコジ元仏大統領を収監、選挙資金不正で禁固5年
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 6
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    若者は「プーチンの死」を願う?...「白鳥よ踊れ」ロ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中