最新記事

オーバーシュート

アメリカ、新型コロナウイルス感染者10万人突破 医療現場は深刻な物資不足

2020年3月28日(土)13時39分

3月27日、米国で確認された新型コロナウイルスの感染者が10万0040人に達したことがロイターの集計で分かった。米国の感染者数は世界最多となっている。写真は2015年5月、ワシントンで(ロイター/Yuri Grip)

米国で確認された新型コロナウイルスの感染者は27日に10万人を突破し、死者数は1600人以上に達した。各地の医療現場では人工呼吸器などの医療機器や医療用マスクなどの装備品の不足が一段と深刻化。ニューヨーク、ニューオーリンズ、デトロイトなど患者急増地域の病院からは経験豊富な医療スタッフの不足を訴える声もあがっている。

米国の感染者数は27日に約1万8000人増と最大の増加を記録し、世界で最多の10万3000人超に達した。ロイターの集計によると、死者数は27日夜時点で少なくとも1632人で世界で6番目。1日の増加はこれまでで最大の370人にのぼった。

ジョンズ・ホプキンス大学の集計に基づけば、世界全体の感染者は59万3000人で、死者は2万7198人に増えている。

ニューヨーク地域の医師によると、防護用の装備品が不足しているため、リサイクルやブラックマーケットでの確保も必要になっている。ニュージャージーのある病院の医師は、マスクやその他の防護用品がこれまでの2500ドル程度では手に入らず、闇市場で1万7000ドルを払い、廃屋化した倉庫で入手したと語った。

トランプ米大統領は27日米ゼネラル・モーターズ(GM)に人工呼吸器の製造を急ぐよう命じた。

大統領はこれまで「国防生産法」には消極的だったが、感染の急拡大を受けて適用に踏み切った。同法は朝鮮戦争当時に成立し、緊急時に民間企業に物資の生産・調達を命じることが可能になる。

また 議会下院は27日、2兆2000億ドル規模の新型コロナウイルス関連経済対策法案をほぼ全会一致で可決。トランプ大統領が直ちに署名し、法案は成立した。

*情報を追加・更新しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・全米の新型コロナウイルス感染3万3000人超える 3州が新たに外出禁止令
・インドネシア首都は「非常事態」? 新型コロナめぐり在留邦人に緊張と混乱
・新型コロナ対策、「日本式」の特徴と評価


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

追加利上げ、今年中に「ないともあるとも言えない」=

ビジネス

日経平均は4日ぶり反発、米株先物の底堅さが支援 

ビジネス

アングル:どうなるテスラの低価格EV、投資家が待つ

ビジネス

午後3時のドルは154円前半で底堅い、介入警戒で一
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 5

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 6

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 7

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 8

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中