最新記事

感染症

全米の新型コロナウイルス感染3万3000人超える 3州が新たに外出禁止令

2020年3月23日(月)08時35分

22日、オハイオ、ルイジアナ、デラウェアの3州が住民に外出禁止令を出した。写真はワシントンで撮影(2020年 ロイター/JOSHUA ROBERTS)

新型コロナウイルスの感染が拡大する米国で22日、オハイオ、ルイジアナ、デラウェアの3州が住民に外出禁止令を出した。これまで同様の措置を打ち出した他の州を含めると全米人口の3分の1近く、1億0100万人が外出禁止の対象となった。

ロイターの集計によると、全米の新型コロナ感染者数は3万3000人を突破し、400人以上が死亡した。これまでニューヨーク、カリフォルニア、イリノイ、コネチカット、ニュージャージーが外出禁止令を出している。

オハイオ州のデワイン知事は「新型コロナとの戦いで非常に重要な時期にあり、いま何を行うかで今後、非常に大きな違いが出る」と強調。外出禁止令によって感染拡大のペースを鈍らせ、既存の医療体制で感染者の治療を行う時間を確保すると説明した。

オハイオの感染者は351人、死者は3人で、ルイジアナは感染者837人、死者20人。ルイジアナのエドワーズ知事によると、感染者数は1週間前の10倍に増えた。

オハイオの外出禁止令は23日深夜12時に発効し、4月6日まで維持される。ルイジアナは米中部時間23日午後5時(日本時間24日午前5時)から4月12日まで。デラウェアの外出禁止令は24日午前8時に発効する。

このほか、ケンタッキー州は、生活に不可欠な業種を除いて全事業所に23日午後8時まで閉鎖するよう命じた。ただ、外出禁止令の発動は見送った。

ケンタッキー選出のポール上院議員(共和党)は同日、新型コロナ検査で陽性反応が確認されたと明らかにした。上院で初の感染者となった。下院では少なくとも2人の感染が確認されている。

デブラジオ・ニューヨーク市長はCNNに対し、新型コロナ感染拡大は「世界大恐慌以降で最大の国内的危機になる」と予想。医療機関のパンク状態を避けるため、米軍兵士の動員が必要だと訴えた。

「向こう10日に人工呼吸器の追加調達ができなければ、本来は死ぬはずのない人まで死ぬことになる」と警告した。

ニューヨーク州のクオモ知事は各州が競って医療資源を調達する状況を回避するため、連邦政府に対し、一元的に医療機器の調達を行うように要請した。

国内の医療機関はさらなる感染者の受け入れに備え、医療従事者用の保護具(PPE)と人工呼吸器の確保に急いでいる。



[ワシントン/ボストン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルスの「0号患者」を探せ!
・イタリア、新型コロナウイルス感染3万人突破・死者2503人
・米研究所が警告「新型コロナウイルス、空中で数時間生存」


20200324issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米テキサス州洪水の死者32人に、子ども14人犠牲 

ビジネス

アングル:プラダ「炎上」が商機に、インドの伝統的サ

ワールド

イスラエル、カタールに代表団派遣へ ハマスの停戦条

ワールド

EU産ブランデー関税、34社が回避へ 友好的協議で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】
  • 4
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 5
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 8
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 9
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 10
    「登頂しない登山」の3つの魅力──この夏、静かな山道…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 9
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中