最新記事

米大統領

「トランプには戦略的、抽象的な思考が欠如している。世界にとって危険なことだ」

Trump’s ‘Mental Impairment Means He Cannot Think Strategically or in Abstract Terms,’ Claims Professor of Psychiatry

2019年10月25日(金)14時50分
シェイン・クラウチャー

一般の人から見るとトランプの精神疾患は分かりにくいと専門家は言う Leah Millis-REUTERS

<複数の選択肢を比較したり、リスクを評価したり、結果を予測したりすることができない。その代わり、恥さらし、低能、フェイクといった単純な形容詞を連発する>

ドナルド・トランプ米大統領には精神疾患があり、抽象的な思考ができず、物事を表面的にしか見ることができない、と精神医療の専門家が指摘した。

トランプの精神状態に関しては、これまでにも多くの心理学や精神医学の専門家が懸念を表明してきた。国際社会で影響力を持つ米大統領職の重要性と、大統領が行使する権力の大きさを考慮すれば、そうした懸念を持つことが重要だという考えからだ。その一方で、対面による診察を行わなければ、適切な評価、診断はできないという批判も出されている。

テキサス大学サウスウェスタン医療センターのジョン・タルマッジ教授(精神医学)は今週、「トランプはどんな問題に関しても政策がない。精神疾患によって戦略的、抽象的な思考ができないからだ」とツイートした。

「複数の選択肢を比較したり、リスクを評価したり、結果を予測したりすることができない。公平、公正、敬意、一貫性といった概念は文字通り理解できない。それはトランプのすべてのインタビューやメディア取材から見て取ることができる。抽象的な思考、アイデアを語ることはない」

「その代わりに、恥さらし、酷い、低能、完璧、いやらしい、バカな、フェイクなどといった単純な形容詞を使う。トランプはネガティブな感情に動かされ、しばしば被害妄想に陥り、(相手を)侮辱したり、辛辣に批判したり、下品に振舞ったりする」

これについてテキサス大学は、タルマッジの個人的な立場の発言だとしている。

一般人には分かりにくい

タルマッジはまた、トランプは「子供じみた形容詞」を使って「浅はかな口調」で積極性を表現し、計画やプロジェクトを議論するうえで詳細は語らない。

「その意味ははっきりしている。トランプにはビジョンや計画がない。はっきりした、初歩的な、子供のような、表面的な言葉でしか考えられないからだ。例えばトランプは、『地政学的な影響がある多国間の紛争を米軍が安定化させる』といった抽象的な表現は理解できない」と、タルマッジは書いている。

「こうしたトランプの脳の機能不全は、一般の人たちには理解し難い。一般の人たちにとって、抽象的思考は自然に織り込まれるもので、ほとんど意識されない。一般の人たちは、結果とリスク評価を意識し、ほとんどの場合に合理的な決断をする」

「事実、トランプは正常ではなく、精神疾患を抱えている。正常な思考ができず、危険だ。大統領職を離れた時、文字通り何が起きたか理解していないだろう。話をでっち上げ、ウソをつき、ヒラリーのメール問題について喚き散らすしかない」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 8
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 9
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 10
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中