最新記事

雑草

「世界最悪の雑草」がカリフォルニア州を侵略する

Monster Hybrid Tumbleweed Species Is Taking Over California, Scientists Say

2019年8月29日(木)15時00分
ハナ・オズボーン

新種のタンブルウィードがカリフォルニア州とアリゾナ州を侵略する、と研究者(写真は2014年、ニューメキシコ州) U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN ERICKA ENGBLOM

<ロシア系とオーストラリア系の外来種を掛け合わせて生まれたハイブリッド種はサイズも繁殖スピードもモンスター級>

西部劇などでよく登場する、荒野をコロコロ転がる草。あのタンブルウィード(転がる草、回転草ともいう)が米カリフォルニア州の複数の地域で大繁殖している。それも、高さ2メートルまで巨大化することもある新種だ。科学者たちは、気候変動の影響で草が育ちやすい条件が揃っていることから、今後さらに増える可能性があると警告している。

<ひと目見ればわかるタンブルウィード>

カリフォルニアで初めてこの種が確認されたのは2002年。ロシアと中国が原産の種と、オーストラリアと南アフリカが原産の種が掛け合わさってできた新種だ。科学者たちによれば、オーストラリア・南アフリカ原産のタンブルウィードは現在アメリカの48の州で確認されており、「世界で最悪の雑草のひとつ」。新種は「両親」の2種よりもずっと成長が早く、高さ約2メートルにもなる。

<参考記事>大気汚染は若者に精神病的症状を引き起こす?

タンブルウィードは、夏の終わり頃に枯れた茎が根本で折れ、風に吹かれて転がって種を撒き散らす。これが街に押し寄せて交通事故の原因になったり、住宅に被害をもたらしたりして大きな問題になっている。わずかな水分さえあればどこにでも2メートルもの根を張るので抜くのも容易ではない。しかもタンブルウィードは外来種なので、農業や生態系にも悪影響を及ぼす。

2018年4月には、カリフォルニア州ビクタービルの街に大量のタンブルウィードの塊が押し寄せ、世界的なニュースになった。地元当局がネットに投稿した写真には、強風で民家の前に積み上がったタンブルウィードの山が写っていた。

<タンブルウィードに埋もれた住宅地>

「両親」よりも強く丈夫に育つ

新種のタンブルウィードが見つかった後、研究者たちはすぐに、この新種が速いペースで生息域を広げていることを発見した。その面積は過去20年で数倍に拡大し、今ではカリフォルニア州からアリゾナ州の広い範囲に分布が確認されている。

<参考記事>海を覆い尽くす......アフリカからメキシコ湾までつづく巨大な藻のベルトが出現

チャップマン大学のシャナ・ウェルズとカリフォルニア大学リバーサイド校のノーマン・C・エルストランドは、新種のタンブルウィードがこれほど短期間でなぜここまで繁殖できたのかを検証。学術誌AoBプランツに発表した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン戦争は2週目に、トランプ氏「無条件降伏」求め

ビジネス

アングル:欧州で若者向け住宅購入の新ビジネス、価格

ワールド

焦点:道半ばの中国「社会保険改革」、企業にも個人に

ワールド

昨年の関税合意実施を米と確認、日本が不利にならない
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 2
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 3
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 4
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 5
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 6
    女性の顔にできた「ニキビ」が実は......医師が「皮…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 9
    大江千里が語るコロナ後のニューヨーク、生と死がリ…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中