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カルロス・ゴーン逮捕に見る日本の司法制度の異常さ

2018年12月7日(金)18時58分
レジス・アルノー(『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員)*東洋経済オンラインからの転載

最もつらいと思われるのは、居室内で一定の姿勢を保っていなければならないということだろう。布団に寝そべることも、その上に座ることも許されていない。1日中、座布団の上で特定の姿勢で座っていなくてはならないのである。佐藤氏によると、午後7時になると、部屋の電気が半分暗くなるが、ベッドに行くこともできなければ、本を読んだり、モノを書いたりすることもできない。話すことも許されていない。

被勾留者は1日に30分間だけ「散歩」することができる。散歩をするには、居室から出て床に引かれた白い線に沿って歩く。その線は拘置所の屋上まで続いている。散歩中は、左右を見ることも、ほかの被勾留者に視線を送ることも許されていない。「これについて拘置所は、ほかの被勾留者のプライバシーを尊重するためだと説明している。しかし本当のところは、勾留された人をよりよく統制するためのものだ」と佃氏は言う。

ゴーン氏がいるのはおそらく10階か11階

この白線は外へと続いているが、そこは別の閉ざされた空間である。その場所では通りの音が聞こえてくるのだが、屋根こそないものの、周りはフェンスに囲まれている。そのフェンスには、中にいる者が空と見張りの警備員しか見ることができないような角度で板が施されている。「あるとき、偶然、東京の背の高い建物のシルエットが見えました。涙が出そうでしたよ」とある元被勾留者は話す。

もっとも、佐藤優氏は「私の場合は建物の中で、網が張ってあり屋根があるコンクリートの箱の中を歩くだけだった」と語っており、ゴーン氏も全く外に出られていない可能性もある。

被勾留者は月曜日と火曜日に軽食を購入することができる。水曜日は飲み物とアイスクリームの日だ。金曜日にはカタログショッピングができる。シャンプー、数珠、まくら、化粧水などが売られている。

ゴーン氏はおそらく死刑囚や"VIP"の多くが勾留された10階か11階にいると見られる。ゴーン氏の1日のほとんどは、検察当局が行う取り調べで占められているだろう。佐藤氏によれば、取り調べは最大14時間にも及ぶことがある。捜査員は途中で電気を消すことがある。パソコンの光で捜査員の顔だけが照らされ、これが心理的なプレッシャーになるそうだ。ただし、身体的な暴力はない。ほかの被勾留者同様、ゴーン氏が自身の弁護士と面会できるのは取り調べの時間外のみだが、少なくともこの時は弁護士と2人だけで話ができる。

証拠隠滅を防ぐために、原則として、外部からゴーン氏に連絡を取ることは禁止されている。裁判官は、例外として、ゴーン氏が1日に15分ほど家族と会うことを許可することはできる。面会者はガラスで分け隔てられた状態で、日本語で話さなくてはならないが、刑務官が英語を理解できる場合や、通訳者が手配できる場合は英語で話すこともできる。面会はなかなか認められず、現にゴーン氏は家族と面会できていない。ゴーン氏が嫌疑を否認していることから、同氏が家族との面会を希望しても、それが受け入れられる可能性は低いだろう。

一方、ゴーン氏は、弁護人の大鶴基成氏(驚くことに、大鶴氏は、ゴーン氏の取り調べにあたっている東京地検特捜部にいた人物である)のほか、世界のどのような国でも外国人の勾留された人に認められている領事保護制度の下で、フランスの大使、レバノンの大使、ブラジルの総領事 と面会することができた。

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