最新記事

大麻

カナダの娯楽大麻合法化でチョコレート工場が大麻工場に

2018年6月18日(月)18時40分
松丸さとみ

かつてチョコレート工場だった建物を大麻工場に改装 Chris Wattie-REUTERS

トルドー首相の公約、秋には施行か

カナダの上院議会でこのほど、娯楽目的での大麻(マリファナ)の使用を合法化する法案が可決された。トルドー首相が公約として挙げていたもので、目標だった今年7月の解禁には間に合わないが、秋には大麻が合法となる見込みだ。

法案は上院の修正案とともに下院に戻され、合法化に向けて今後さらなる調整が行われる。カナダの大手新聞バンクーバー・サンは、法律として施行されるまでには8〜12週間かかるとしている。

全国レベルでの嗜好用大麻の合法化は、ウルグアイに続いてカナダが2カ国目となる。G7(先進7カ国)では初めてとなるため、世界の視線がカナダに注がれている。

なかでも特に注目を集めているのが、カナダ最大の大麻製造業者キャノピー・グロースだ。カナダのオンタリオ州オタワ近くにあるスミス・フォールズで、かつてチョコレート工場だった建物を大麻工場に改装して事業を行なっている。

英紙ガーディアンによると、カナダの嗜好用大麻解禁に先立ち、この工場には世界中から見学希望者が殺到している。ジャマイカ、ドイツ、デンマーク、オランダ、ギリシャ、オーストラリアからは政治家や警察関係者。ニュージーランド、ブラジル、チリからは医者など。さらには投資家も工場見学にやってくる。そのため、キャノピー側はすべてのドアに窓を作り、壁にも窓を新たに作って見学しやすいようにして対応しているという。

マリファナで活気づくカナダの小さな町

キャノピー・グロースは2014年にツイード・マリファナという社名で医療用大麻の製造を開始し、2016年にトロント証券取引所に上場した。今年5月24日には、米ニューヨーク証券取引所でも大麻製造業者として初めて上場を果たしている。英紙ガーディアンによると、今回のカナダでの嗜好用大麻の合法化の動きを受け、大麻関連株で利益を上げた投資家は多かったという。しかし今後は、バブルが崩壊するのか、それとも価格は上がり続けるのか、まったく分からないとしている。

ブルームバーグは2017年12月、キャノピー・グロースが大麻の製造を開始して以来、オンタリオ州の小さな町スミス・フォールズはチョコレート工場閉鎖以来の活気を取り戻していると伝えていた。同社はスミス・フォールズの民間セクターとしては最大となる360人を雇用しており、工場周辺の経済を活性化しているという。

CNNマネーは、大麻の娯楽使用がカナダで合法化された場合、市場規模は最大で70億ドル(約7750億円)と伝えている。また、ビールや蒸留酒、ワイン、たばこなどからマリファナに切り替える人がいるだろうと予測されており、アルコール類の売り上げは減少するとみられている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

イスラエル格付け「A」に据え置き、債務・戦争が見通

ビジネス

インド、新年度成長見通しに下方リスク 中東紛争で=

ワールド

不審な「トランプ相場」取引で数百万ドル利益も、専門

ビジネス

物価などに及ぼす影響見極め、為替動向しっかりみてい
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中