最新記事

「死のない肉」クォーンが急成長 人工肉市場がアツい

2018年2月13日(火)19時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

本物の肉のような食感が楽しめる人工肉 Bartosz Luczak-iStock.

<さまざまな疑問は残りつつも人工肉市場が急拡大している。いつか本物の肉の味を知らない子供も出てくるのか...>

肉の代替食品「クォーン(Quorn)」の存在感が増している。日本では見かけないこのクォーンだが肉によく似た食感が好評で、ヨーロッパでは30年以上前からスーパーなどで販売され、特にビーガン(完全菜食主義者)やダイエッターの間で人気が高い。

英ガーディアン紙によると、市場規模は着実に伸びている。先週発表されたヨーロッパとアメリカでのクォーンの2017年の成長率はそれぞれ27%と36%で、世界全体では前年比16%拡大したと報告された。2027年には市場規模は数十億ドルに成長するといわれる。

クォーンは、キノコ?カビ?

欧米の食卓に浸透するクォーンだが、その原料や生産方法はベールに包まれた部分が多いという。クォーン社は1985年、イギリスの食品大手マーロウ・フーズと大手パンメーカーのホービス、化学品メーカーICI(現在はアクゾノーベル社の一部)のジョイントベンチャーとして設立。世界人口の爆発的な増加が危惧されるなかで、食用酵母、カビ、バクテリアを繁殖させて人工タンパク源を探究するプロジェクトに取り組んだ。

1985年までにイギリス政府はクォーンの販売を許可した。ただ、ここでも「結局クォーンは何からできている?」という疑問は残ったままだ。

英ガーディアン紙によると、タンパク質にグルコース、固定窒素、ビタミン、ミネラルを加え熱処理し、過剰なリボ核酸を取り除いたフザリウム・ベネナタムの菌株から作られているそうだが、これではピンと来ない。簡単に説明すると、キノコのタンパク質を発酵させた「マイコプロテイン」という。

現在はフィリピンの食品会社モンド・ニッシンがブランドを所有し、ビーフステーキ風など100種類以上の食品にアレンジして販売している。

ほぼ全てのクォーン製品には卵が含まれており、ビーガン仕様のものはジャガイモのでんぷんで代用している。香料や着色料、タピオカでんぷん、パーム油、エンドウ豆繊維などの成分を掛け合わせ、巧妙に作られている。環境問題に明るいジャーナリストのジョージ・モンビオットが「鶏肉やミンチと区別がつかない」と評したほどだ。

ニュース速報

ビジネス

焦点:米金融規制の緩和法案可決、さらなる緩和はある

ビジネス

需給維持に緩和継続が重要、効果強まれば色々考える=

ビジネス

トヨタ、燃料電池と水素タンクの国内生産拡大 20年

ビジネス

NY連銀総裁、LIBORに代わる指標金利への迅速な

MAGAZINE

特集:交渉の達人 金正恩

2018-5・29号(5/22発売)

未熟な若者から狂気の独裁者へ、そして平和の立役者? トランプから譲歩を引き出す金正恩の交渉力

人気ランキング

  • 1

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 2

    クルド女性戦闘員「遺体侮辱」映像の衝撃──「殉教者」がクルド人とシリアにもたらすもの

  • 3

    金桂冠は正しい、トランプは金正恩の術中にはまった

  • 4

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 5

    「ISIS憎し」のイラク政府が即決裁判で大量死刑宣告

  • 6

    米軍に解放されたISの人質が味わった地獄

  • 7

    トランプ「金正恩との会談、実現しない確率高い」 …

  • 8

    失踪中のドイツ人少女 ISISメンバーとしてイラクで…

  • 9

    史上最悪の「スーパー淋病」にイギリス人男性が初感…

  • 10

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 1

    北朝鮮から軍将校と住民が「脱北」 19日未明に黄海上で韓国側へ亡命

  • 2

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 3

    北の「日本メディア外し」は日本への歪んだ求愛

  • 4

    クルド女性戦闘員「遺体侮辱」映像の衝撃──「殉教者…

  • 5

    金桂冠は正しい、トランプは金正恩の術中にはまった

  • 6

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 7

    結婚式はハリー王子の「禊」 呪縛を解き放ったメー…

  • 8

    「ISIS憎し」のイラク政府が即決裁判で大量死刑宣告

  • 9

    韓国、アベンジャーズ1000万人の大ヒット その影で…

  • 10

    メーガン・マークルはダイアナの二の舞にはならない

  • 1

    北朝鮮から軍将校と住民が「脱北」 19日未明に黄海上で韓国側へ亡命

  • 2

    「いい加減にしないと暴動起こす」北朝鮮国民の不満が爆発寸前

  • 3

    北の「日本メディア外し」は日本への歪んだ求愛

  • 4

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 5

    左耳を失った米女性兵士、前腕で育てた耳の移植手術…

  • 6

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 7

    愛犬が2足歩行し始めた! 近所をざわつかせたその正…

  • 8

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 9

    クルド女性戦闘員「遺体侮辱」映像の衝撃──「殉教者…

  • 10

    中身なし、マニュアル頼み、上から目線......「日本…

グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

SPECIAL ISSUE 丸ごと1冊 プーチン

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年5月
  • 2018年4月
  • 2018年3月
  • 2018年2月
  • 2018年1月
  • 2017年12月