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ドイツ

場違いな「歴史論争」で中国にイエローカード

2014年4月15日(火)15時30分
ザカリー・ケック

 クラウスはさらに、ヨーロッパの戦後の和解は双方向だったと指摘。ドイツの謝罪と、昔の敵国がそれを受け入れたことの両方が、重要な役割を果たしてきたと語っている。

「20世紀のあらゆる惨事を経験して、ヨーロッパはようやく、違う道を見つけなければいけないと悟った......ドイツが自分たちの戦争の歴史を受け入れると同時に、ほかのヨーロッパ諸国が和解に向けて歩み寄り、ドイツの真摯な謝罪を受け入れることも不可欠だった」

 この発言は中国に対し、日本が近隣諸国に謝罪してきたことを、もっと受け入れる姿勢を示すべきだと促していると受け取れる。

 クラウスは、ヨーロッパに法の支配が確立していたことも、和解を後押ししてきたと語る。欧州司法裁判所などの制度を通じて、国家間の対立を解決できる点を指摘した。

 中国は近隣諸国と多くの領土紛争を抱えているが、国際的な仲裁をかたくなに拒否。すべての対立は当事国の間で処理すべきだと主張するが、ほとんどの2国間関係では中国がより大きな影響力を持っている。

 習はベルリン市内で講演した際、南京事件などに言及して、戦時中の日本の軍国主義を批判してみせた。もっとも、習の訪問をめぐるいきさつが物語るように、ドイツはこの件で中国の肩を持つつもりはなさそうだ。

From thediplomat.com

[2014年4月15日号掲載]

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