最新記事
海洋生物

海の生き物は互いに「手を振って」会話していた...最新研究で判明、4パターンの「賢い手の振り方」とは?

Scientists Think They've Caught Sea Creatures 'Waving' at Each Other

2025年5月9日(金)16時35分
レイチェル・オコナー

研究者たちはこの動きを記録し、その映像をコウイカに見せたところ、コウイカは映像の中の動きに対しても腕を振り返すことがわかった。さらに、映像が上下正しい向きで再生されたときのほうが、逆さまにされたときよりもコウイカが腕を振り返す確率が高いことも確認された。

研究者たちは、視覚的な動きだけでなく、腕を振ることで水中に波を生じさせ、それが機械受容(触覚や振動などの刺激を感知し反応する能力)を通じて仲間に伝わっている可能性があることも指摘している。

これにより、コウイカ同士が互いの姿が見えない状況でも情報をやり取りできる可能性がある。

この仮説を検証するため、研究者たちはハイドロフォン(水中のあらゆる方向から音を検出・記録できる装置)を使い、振動波を記録した。

その後、この波のデータを混乱させた状態や逆再生した状態でコウイカに聞かせたところ、コウイカは元の波には反応したが、混乱させたものには反応しないことがわかった。

なお、この研究はまだ査読を受けておらず、研究者たちはコウイカが本当に腕の動きでメッセージを伝達していると結論づけるにはさらなる調査が必要だと指摘している。

しかし、研究者たちは今回の結果が、特に、脊椎動物との収斂進化(別々の系統が似た特徴を進化させる現象)の一例として、頭足類(タコやイカなど)のコミュニケーションの理解を深める新たな可能性を切り開くことを期待している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

サハリン2のLNG調達は代替可能、JERAなどの幹

ビジネス

中国製造業PMI、10月は50.6に低下 予想も下

ビジネス

日産と英モノリス、新車開発加速へ提携延長 AI活用

ワールド

ハマス、新たに人質3人の遺体引き渡す 不安定なガザ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中