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アメリカ式か中国式か? ビッグデータと国家安全保障をめぐる「仁義なき戦い」勃発

THE BATTLE OVER BIG DATA

2022年11月17日(木)15時01分
アダム・ピョーレ(ジャーナリスト)

そもそも多くの国々は、国民の個人データを中国から守る必要性とシリコンバレーから守る必要性の間に線引きなどしていない。

アメリカとEUの間では、データ移転ルールの法的根拠となる新たな合意に向けた交渉が続いている。EUの消費者プライバシー保護法規を米企業に遵守させるためだ。

アメリカは、スノーデンによる内部告発後にEUとの間で結んだ「プライバシー・シールド」合意の下、自国の情報機関が違法に集められた個人データを用いてヨーロッパ市民の権利を侵害することがないよう、新たな防止策を取ると約束していた。

しかし、プライバシー・シールドは2020年に欧州司法裁判所によって無効と判断された。また、アメリカの情報機関が合意に違反した場合、ヨーロッパ市民はどのような救済を受けられるのかについての交渉は、何カ月も行き詰まったままだ。

アメリカのソーシャルメディア企業の飽くなきデータ収集欲は、この議論と切っても切れない関係にある。アイルランドの個人情報保護当局であるデータ保護委員会は今年7月、フェイスブックの運営会社メタが、ヨーロッパからアメリカにユーザーの個人情報を移送することを禁止する決定案をEU当局に提出した。

するとノルウェーの規制当局は、この決定案を支持する意見書を提出。メタがEU域外に個人情報の移送を続けるなら、高額の罰金を科すべきだと主張した。このためメタは、米欧がプライバシー・シールドの改訂版に合意できなければ、EUではフェイスブックとインスタグラムが使えなくなるかもしれないと警告した。

もし米欧の交渉がまとまらず、フェイスブックがEU市民の個人情報を域外に移送できないことになれば、米欧間のデータの流れは大混乱を来し、企業は「数十億ドル規模」の損害を被る可能性があると、米オルブライト・ストーンブリッジ・グループの上級副社長(中国とテクノロジー政策担当)であるポール・トリオロは指摘する。

アメリカがこの問題にどう対処するかは、諸外国にも広く影響を与えるだろう。この5年で少なくとも62カ国が新たなデータ・ローカライゼーション規制を設けた。データの国外移送に制限を加えたり、国内にサーバーの設置義務を課してデータのコピーを保存させたりするルールだ。

アメリカでさえ、国防総省の業務委託を受けているクラウド事業者には、機密データを国内のサーバーに保存することが義務付けられている。

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