最新記事
宇宙

世界初の大型宇宙デブリ回収実験に日本が名乗り

2020年3月10日(火)18時00分
ティサンガ・シリパラ

世界初の大型デブリ回収プロジェクトが発足 JOHAN63/ISTOCKPHOTO

<宇宙ごみ問題解決のため、JAXAが宇宙ベンチャーのアストロスケール社と共同で実証実験に乗り出すことに>

地球の軌道には使用済みの人工衛星やロケットの破片など宇宙ごみ(スペース・デブリ)が無数に漂っており、人工衛星や国際宇宙ステーション(ISS)に衝突すれば甚大な被害をもたらしかねない。

この問題の解決を先導すべく名乗りを上げたのが日本だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は宇宙ベンチャーのアストロスケール社と共同で、世界初となる大型デブリ回収の実証実験に乗り出す。

このプロジェクトではまず2022年までに、過去に打ち上げられた国産ロケットの一部に同社の小型衛星を接近させ、精密画像などのデータを採取する。その後、一回り大きな衛星を打ち上げ、磁力を使って大型デブリを捕獲。大気圏に再突入させる際に熱で溶かして除去する計画で、アストロスケールは2025年までの商業化を目指すという。

さらに日本政府は2月、デブリに関する国連宇宙部との共同声明に署名。この問題の国際社会への関心喚起に取り組むとしている。

From thediplomat.com

<本誌2020年3月17日号掲載>

【参考記事】スペースデブリ除去、欧州宇宙機関が2025年に作業に着手
【参考記事】世界初、ネコの宇宙葬が行われることに...名前はピカチュウ

20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症VS人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米アップル、営業部門で人員削減へ 採用は継続

ビジネス

米国株式市場=上昇、ハイテク株が高い 利下げ観測の

ワールド

中国、25日に「神舟22号」打ち上げ 代替機として

ワールド

和平案に「正しい要素、重要課題はトランプ氏と協議=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中