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「ファッションを楽しめるのは特権」...フィリピンの貧困地区から世界を変える「coxco(ココ)」とは?

AYUMI NISHIGAWA

2025年7月9日(水)16時48分
ジャスパール・タン(在フィリピン記者)
西側愛弓(coxco代表)

「Pay it Forward(恩送り)がモットー。心を磨き続ければ皆も付いてきてくれるはず」と語る西側 RON WOODS FOR NEWSWEEK JAPAN

<フィリピンの貧困層を支援しながら、サステナブルなものづくりを実践する日本人がいる。西側愛弓がファッションの力を通じて届ける雇用と教育、そして希望>

幼い頃から大好きだったファッションを社会貢献の手段と捉えるようになったきっかけは、大学生の頃に一人旅をした15カ国で出会った、ボロボロの服を着た子供たち。西側愛弓は世界の格差問題を目の当たりにし、衝撃を受けた。

「ファッションを楽しめるのは特権だと気付いた。当たり前じゃないんだって」

10代の頃は特に夢もなく、積極的とは言えない性格だった。だが旅での経験や出会った人々の姿に背中を押され、ファッションを通じて人々に希望を与え社会に貢献することを志すようになった。

2015年、大学生で設立したフィリピン拠点のNPO「DEAR ME」は「ランウェイの上で夢を描く」を掲げ、マニラの貧困地区に住む子供たちがモデルとなるファッションショーを企画・運営。単なる物資提供ではなく「自分を表現し、ファッションを楽しむ体験」を届ける。

「今では町の恒例行事で、喜びと笑顔にあふれる場になった」と西側は誇らしげに語る。

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