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世界一有名な日本の歌手となった初音ミク...世界の音楽を変えた原動力、「プロシューマー」とは

HIROYUKI ITOH

2025年6月27日(金)14時15分
長岡義博・本誌編集長
初音ミクを開発した伊藤博之代表取締役

「初音ミクは創作のハブとして愛されている」と語る伊藤 COURTESY OF CRYPTON FUTURE MEDIA

<初音ミクを創り出し、日本の二次創作文化を加速させた伊藤博之代表取締役。初音ミクの原点と未来について聞く>

「今、世界で一番有名な日本人歌手は」と聞かれたら? その答えは間違いなく「初音ミク」だ。

メロディーと歌詞を入力すると、サンプリングされた人の声を基に歌を作ることのできるこの歌声合成ソフトウエアは、2007年の発売開始以来、コンピューターソフトの枠を超え、音楽の作り方や楽しみ方に革命的変化をもたらしてきた。数ある同種のソフトウエア(ボーカロイド/ボカロ)の中で、初音ミクが特別な存在になり得たのは、「ネット時代に何が起きるか」を、開発側が正しく理解していたからでもある。


その「活動」は音楽にとどまらず、イベントやゲームにも広がる。昨年はアメリカ最大の音楽イベント「コーチェラ」にも出演した。世界が共鳴する「初音ミク現象」を作り出したクリプトン・フューチャー・メディア代表取締役の伊藤博之に、初音ミクの「これまでとこれから」を聞いた。(聞き手は長岡義博・本誌編集長)

◇ ◇ ◇


──初音ミク開発の発想の原点を教えてください。

そもそも初音ミクって楽器ソフトなんです。コンピューターが何でもできるようになるなかで、音楽も作れるようになった。ピアノもギターもソフトがあるなかで、われわれとしてはボーカルも作りたい。ボーカロイドという歌声合成技術はヤマハが開発したのですが、当時はビジネスになるか分からなかったので、フットワークの軽い当社が商品化した。その1つが初音ミクです。

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