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多様性こそが「勝利のレシピ」?...コロナ禍にもトランプにも負けず、ブロードウェイが復活できた理由

Broadway Is Back

2025年6月20日(金)18時15分
H・アラン・スコット

劇場に来たら、いったん外の世界のことは忘れてほしいと言うのは『デス・ビカムズ・ハー』のヒルティ。「お客さんに求めることは1つだけ。悩み事は誰かに預けて、ちょっとだけ私たちと一緒に笑い、あるいは私たちを笑って楽しんでほしい」

興行収入の点でも多様性の点でもブロードウェイが今の成功を維持できるかどうかは、まだ分からない。

「これからは困難な時期になりそうだ」とヒッチェンズは言う。「でも私は演劇は政治的に偏るべきではないと信じている。劇場に来れば、どんなものでもより良い方向に引き上げてくれる。経済にしても、教育にしても、演劇が加われば必ずプラスになる」はずだと彼は述べ、こう続けた。

「新型コロナウイルスの感染爆発が地域のあらゆる商業活動や経済に影響を及ぼした時、私たちはアートや演劇のない日々がどんなものかを学んだ。今こそ、私たちは人々をとことん楽しませているんだと誇っていい時期だ」

トニー賞で史上最多ノミネートかつ最多受賞を誇る「女王」オードラ・マクドナルドも、ブロードウェイの現在の活況がトニー賞にどう反映されるかに注目していた。

「どの部門でも、信じられないくらい素晴らしい候補作、候補者がそろったでしょ」と彼女は言う。「それに、ノミネートされなくってもいいの。ブロードウェイでもオフ・ブロードウェイでも、どこの町の劇場でも、演劇に関わっている人はみんな特別な存在。だから私は、このコミュニティーの一員でいられることが本当にうれしい」

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