米石油業界のM&A、第2四半期は減速 市場の変動激化で

情報分析会社エンベラスは23日、米国の石油・ガス業界の上流部門における合併・買収(M&A)の動きが今年第2・四半期に減速したとする調査結果を発表した。6月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic
Georgina McCartney
[ヒューストン 23日 ロイター] - 情報分析会社エンベラスは23日、米国の石油・ガス業界の上流部門における合併・買収(M&A)の動きが今年第2・四半期に減速したとする調査結果を発表した。エネルギー市場と株式市場の変動が激しくなったことを受け、企業がM&Aを手控えた。
エンベラスによると、第2・四半期に公表された石油・ガス業界のM&Aは総額135億ドル相当となり、前期と比べて21%の減少。今年上半期は総額305億ドルで、前年同期比60%減った。
これに対し同業界のM&Aが近年で最も活況だった2023年は、総額1920億ドル相当に達し過去最高を記録していた。
エンベラス・インテリジェンス・リサーチのプリンシパルアナリスト、アンドリュー・ディットマー氏は「コモディティー市場と株式市場のボラティリティーがM&Aに対する注意信号を発してディールの成立ペースを減速させた」と指摘。「(M&Aの)標的が極めて少数しか残っていないことを踏まえると、過去数年間にわたり動いていたM&Aのエンジンは失速している」と述べた。
また同氏は、企業は最終的にはカナダやアルゼンチンといった外国資産の買収を検討することが必要になるとの見方を示した。