最新記事
シアター

多様性こそが「勝利のレシピ」?...コロナ禍にもトランプにも負けず、ブロードウェイが復活できた理由

Broadway Is Back

2025年6月20日(金)18時15分
H・アラン・スコット

トニー賞にノミネートされた1『イエロー・フェイス』 2『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』 3『グレンギャリー・グレン・ロス』 4『デス・ビカムズ・ハー』 5『ブープ!ミュージカル」 6『ジャスト・イン・タイム』 7『パーパス』 8『グッドナイト&グッドラック』 9『ジプシー』

トニー賞にノミネートされた1『イエロー・フェイス』 2『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』 3『グレンギャリー・グレン・ロス』 4『デス・ビカムズ・ハー』 5『ブープ!ミュージカル」 6『ジャスト・イン・タイム』 7『パーパス』 8『グッドナイト&グッドラック』 9『ジプシー』 JOAN MARCUS (1); MATTHEW MURPHY (2, 5); EMILIO MADRID (3, 8); FRANZ SZONY (4);MATTHEW MURPHY/EVAN ZIMMERMAN (6); MARC J. FRANKLIN (7); JULIETA CERVANTES (9)

「みんな意外性に飢えてるんだ」と言ったのは、エイブラハム・リンカーン大統領の妻メアリーを主人公とする『オー、メアリー!(Oh, Mary!)』で助演男優賞にノミネートされたコンラッド・リカモラ(Conrad Ricamora)。

「あのリンカーン大統領がフィリピン系アメリカ人だったなんて、もう最高の真実じゃないか」。ちなみに脚本・主演のコール・エスコラ(Cole Escola)は、男/女の性自認を拒むノンバイナリーだ。

@cbssundaymorning Cole Escola, creator of the Broadway hit "Oh, Mary!,", turns Mary Todd Lincoln into a cabaret dreamer amid the Civil War--and just earned two Tony nods for it. #broadway #lincoln #stage #tony #comedy ♬ original sound - CBS Sunday Morning

多様性を謳歌しつつ興行的に成功した作品は『オー、メアリー!』だけではない。

ダレン・クリスとヘレン・J・シェンが共演した韓国発のミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング(Maybe Happy Ending)』、シカゴの著名な黒人政治家一族を描きピュリツァー賞を受賞した『パーパス(Purpose)』、中国系アメリカ人劇作家デービッド・ヘンリー・ホアンの半自伝的戯曲『イエロー・フェイス(Yellow Face)』(主演はダニエル・デイ・キム)、メリル・ストリープ主演の映画『永遠に美しく...』を大胆にリメークした『デス・ビカムズ・ハー(Death Becomes Her)』、そしてトニー賞史上最多の受賞歴を誇るマクドナルドが主役を務め、主要キャストを黒人が占めるリバイバル版『ジプシー』も見逃せない。

ブロードウェイの今シーズン(24年夏~)の興行収入は5月時点で18億ドルに達し、コロナ禍以降では最高。しかも史上最高だった18~19年シーズンの同時期の実績をも上回っている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃

ワールド

シリアで米兵ら3人死亡、ISの攻撃か トランプ氏が

ワールド

タイ首相、カンボジアとの戦闘継続を表明

ワールド

ベラルーシ、平和賞受賞者や邦人ら123人釈放 米が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 9
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 10
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中