多様性こそが「勝利のレシピ」?...コロナ禍にもトランプにも負けず、ブロードウェイが復活できた理由
Broadway Is Back
作品の来歴や役者の出自を問わないのがブロードウェイの伝統。ヒッチェンズに言わせれば「ここでは多様性こそが原理原則」なのだ。
今こそ「本物」が必要だ
『オー、メアリー!』でリンカーンを演じたリカモラは「正直、この作品がブロードウェイで受け入れられるとは思っていなかった」と言う。「でも分かった。みんな心から本物を求めているんだと」
一方、こうした多様性の祝福は今の政治状況に対する深い理解につながると語るのは『イエロー・フェイス』のキム。「まさにニュースで見聞きしている話じゃないか。アメリカ国籍があっても強制送還されてしまう。私たちアジア系アメリカ人はずっと、そんなことを経験してきた」
だからキムは、自分が主演男優賞にノミネートされたことの意味を十分に自覚している。「私たちは昔から見過ごされ、まるで透明人間みたいに扱われてきた......ノミネートの一歩先、受賞までアジア系アメリカ人が進む日を待ち焦がれてるよ」
『リアル・ウィメン・ハブ・カーブス(Real Women Have Curves)』で助演女優賞にノミネートされたジャスティナ・マシャド(Justina Machado)も同感だ。
「これがどんなに大切なことか、自分と同じタイプの人しか(舞台で)見てこなかった人には分からない」と彼女は言う。「でも自分と違う誰かが(舞台に)立つのを見たら、きっと何かが変わる」