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加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果

2025年5月14日(水)09時40分
ニール・バルジライ (アルバート・アインシュタイン医科大学教授)

わたしたちはMILES試験のときのように、転写産物、すなわち両グループから運動前後に採取した筋肉の生検材料において、RNAが発現させた情報を調べた。

すると、メトホルミンなしで運動した場合でも、メトホルミンを飲んで運動した場合でも、筋力では同じような効果が見られた。


 

筋肉量が少ないのに筋力が同じとは、どういうことだろう? 筋肉重量の単位当たりでは、メトホルミンを飲んで運動した人のほうが、運動だけの人より力が強いのはなぜだろう?

優秀な元大学院生アミヤ・クルカーニが、1つの違いに気がついた。メトホルミンを飲んだグループの人は、運動による悪影響の酸化的損傷と炎症が少ないのだ。メトホルミンはまた、運動によって増えるmTORを抑制する。

つまり、mTORの減少が筋肉の機能を良くするのかもしれない。その日の終わりには、被験者の筋機能に違いがなかったので、運動とメトホルミンの相反するメリットが相殺されたのだろう。

メトホルミンは運動のプラス効果をすべて生じさせるわけではないが、運動とメトホルミンの組み合わせには全体的なプラス効果がたくさんありそうだ。



ニール・バルジライ (Nir Barzilai)
1955年生まれ。アルバート・アインシュタイン医科大学教授。同大学老化研究所設立者。ポール・F・グレン老化生物学研究センター、およびアメリカ国立衛生研究所(NIH)ネイサン・ショック・センター加齢基礎生物学部門のディレクターも務めている。専門は内分泌学。100歳を超える長寿家系を調べ、ヒトの長寿遺伝子を世界で初めて発見した。長寿研究の世界的権威として、全米老年問題研究連盟(AFAR)「アーヴィング・S・ライト賞」など数々の賞を受賞している。本書が初の一般書となる。


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