突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘

2025年3月28日(金)14時17分
木野 太良 (カメラマン)*PRESIDENT Onlineからの転載

自分の生活は「痛風まっしぐら」だった

レントゲンや血液検査の結果が出るまで、病院の待合室で「痛風」というワードで出てくるスマートフォンからの情報を見ると、その生活はまさに自分のそれだった。

「痛風は生活習慣によりなる病気であり......尿酸過多になりやすいプリン体を多く含む飲み物。特にビール、日本酒などの他、食べ物。レバー、たらこなどの魚卵、青魚などに多く含まれる......。また、特に負荷をかけた筋肉トレーニングなどのような無酸素運動も血中尿酸値を上げてしまう原因である」などなど。


かいつまんで読んだ記事だけでも、心あたりのあることばかり。

ちょうど近所に美味しい肉屋さんを見つけて、そのまま生でも食べられそうなレバーを文字通りビールと共に過食していた。

去年の夏は暑さが苛烈で、まだ暗い明け方に起きて涼しいうちに仕事をし、午前中のうちに仕事場の近くのプールで泳ぎ、また仕事場に戻ったら、一般の人よりは早く夕方4時には仕事を終えて、口開けしたばかりの赤提灯に滑り込むのを楽しみにしていた。

注文は、生ビールをジョッキで2杯立て続けに飲み、もつ煮や、最もプリン体を多く含む内臓類をあてにして舌鼓を打っていた。至福の夕刻を終えると、気分良く自宅に帰宅して、家族と夕食。

そんな日々を自分は健康的な生活と勘違いしていた。美味しいものを見つけると、毎日でも食べ続けて、過食してしまう性格。一度好きなものにハマると同じものばかり食べてしまう習性。

原因を思い返せば、発症して然るべき

それだけではない。去年の夏、発症した時期のことを思い返せば、発症して然るべきというようなことばかりが思い出される。

まず根本原因は、自分が十分に中年の領域に達しているのに、そのことを自覚せず、体が酸化するような食事をくりかえしていたこと。段々と疲れやすくなったり、疲れが取れにくくなっていく中で、アクセルを踏み続けるような食事、つまり肉食と、糖分摂取に、アルコール摂取を強化するような生活をし続けていたこと。疲れやすさをガソリン注入により補おうとしていた節があった。

そして、活動量が減った老体を鍛え直す必要があるかもしれないと、血中尿酸値が上がる無酸素のダンベル運動まで開始していた。とにかく、無駄なアクセルの踏みすぎと、体の仕組みに関する無知。そのことこそが、痛風発症まで突き進んだ最大の原因だった。

老化により衰え始め、疲れやすくなっている原因を、「ガソリン不足」として捉えるのではなく、アルカリ性の食べ物を増やすなどして、ニュートラルな身体に変えていくべきだったのだ。例えるなら電気自動車のように静かで、燃費とエネルギー効率の良い身体に少しづつでも作り変えるべきだったのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米政権と対立のハーバード大が5億ドル支払いへ、トラ

ワールド

米上院、民主党のつなぎ予算案否決 数時間後に政府機

ワールド

OPECプラス、11月に増産加速も ロシアは難色=

ビジネス

EXCLUSIVE-ボストン連銀総裁、積極的利下げ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけではない...領空侵犯した意外な国とその目的は?
  • 3
    【クイズ】身長272cm...人類史上、最も身長の高かった男性は「どこの国」出身?
  • 4
    10代女子を襲う「トンデモ性知識」の波...15歳を装っ…
  • 5
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 6
    通勤費が高すぎて...「棺桶のような場所」で寝泊まり…
  • 7
    カーク暗殺の直後から「極左」批判...トランプ政権が…
  • 8
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    博物館や美術館をうまく楽しめない人は...国立民族学…
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 3
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒りの動画」投稿も...「わがまま」と批判の声
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 6
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中