最新記事
ドラマ

晩餐会と「ご婦人方のベッド」を征服...19世紀に実在の「セレブシェフ」が題材の『カレーム』はバカバカしくて最高

Deliciously Preposterous

2025年7月4日(金)14時00分
ジョーダン・ホフマン

ナポレオンの妻を誘惑

だが間もなくバイイが反逆罪のぬれ衣で逮捕されると、カレームは権力者のタレーランに助けを求める。そして気付けば養父を救いたい一心で、薄汚い大公タレーランの手先となっている。

数エピソード後には邸宅の氷貯蔵室でナポレオンの妻ジョゼフィーヌを誘惑し、関係を持つ。情事の現場を押さえればジョゼフィーヌが離婚制度の維持に応じるだろうと、タレーランが謀ったのだ。意味が分からない? 大丈夫、ドラマを見ればちゃんと理解できる。

クライマックスは戴冠式

カレームはこの調子で悪巧みの片棒を次々と担がされる。その上テロ事件の犯人と誤解され、警察大臣のフーシェに付け狙われる。

『レ・ミゼラブル』のジャベール警部を思わせる警察大臣役のミーシャ・レスコ(Micha Lescot)が、実にいい。ねちっこく陰険な悪党フーシェが登場するたびにわくわくする。

監督を務めたのは映画『エッフェル塔〜創造者の愛〜(Eiffel)』のマルタン・ブルブロン(Martin Bourboulon)や、ドラマ『ジ・エディ(The Eddy)』のレイラ・マラクシ(Laïla Marrakchi)。

テンポは速く、衣装は豪華絢爛、料理は官能的に映し、セックスシーンは荒い息遣いを聞かせる程度に抑えること、というのが全体のルールだ。クライマックスのナポレオンの戴冠式で、カレームは祝宴の指揮を執る。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

エア・カナダ、客室乗務員と暫定合意 スト終了

ワールド

AIで恒久的失業、米国民7割が懸念=ロイター/イプ

ビジネス

マクロスコープ:インテル出資で孫氏「逆張りの賭け」

ワールド

中国、インドのレアアース需要への対応約束=印関係筋
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    「これからはインドだ!」は本当か?日本企業が知っ…
  • 9
    アラスカ首脳会談は「国辱」、トランプはまたプーチ…
  • 10
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 6
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 9
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 10
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中