最新記事

投資の基礎知識

キャッシュレス、5G、自動運転車、RPA... 「テーマ株投資」の極意

2019年4月5日(金)10時20分
岡田禎子 ※株の窓口より転載

2019年に期待されるテーマ

株価が上昇しやすいのは、将来的に世の中を大きく変化させる可能性を秘めたテーマです。例えば、こんな相場格言があります。


国策に売りなし

国の政策がテーマとなっている場合、税金を使って国の重要課題を解決しようということですから、将来的に需要が大きくなる可能性があります。また、次世代の技術やサービスに関するテーマも、株式市場で常に熱量の高いテーマといえます。

では、2019年の株式市場をリードすると期待されている、注目のテーマをご紹介しましょう。

●5G(第5世代移動通信システム)
現行の通信システム(4G)の数十倍の通信速度を実現する、次世代の通信システムです。自動運転やIoTを実現する上で必須の技術であり、次世代技術のインフラとして、市場の爆発的な広がりが期待されています。

●インバウンド
爆買いは一服したものの訪日外国人は増加し続けており、モノ消費から体験型のコト消費へ、消費行動の変化とともに新たな関連銘柄に注目が集まっています。

●シェアリングエコノミー
カーシェアリング、民泊、レンタルオフィスなど、物や場所、サービスを不特定多数の人と共有して利用する仕組みをいいます。2013年は全世界で150億ドルだった市場規模は、2025年には3350億ドルにまで拡大すると予測されています。

●キャッシュレス
2019年10月に控えた消費税増税の対策としてポイント還元が検討されています。これを刺激材として、キャッシュレス後進国の日本でもキャッシュレス化が一気に加速する......という期待が高まっています。

●自動運転車
政府は2020年の東京オリンピックに向けて、自動運転車の普及促進に積極的に取り組む姿勢を見せています。AI、IoT、センサなど複数のテーマが関連しており、注目度は大変高くなっています。

●RPA
RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、ホワイトカラー業務を代行するシステム版ロボットツールのことです。定型業務を効率化する「働き方改革」の一つとして注目を集めています。

勝ちパターンを見つけよう

テーマ株投資は大きな利益を得るチャンスがある投資法ですが、高値掴みの危険性などリスクも伴います。常に許容できるリスクを事前に決めておき、損切りのポイントを守るなど、自分なりのルールに従って投資を行うことが肝要です。

その上で、例えば「短期のテーマは追わず長期のトレンドに乗る」、あるいはその反対など、自分の考えに基づいたポジションを取り、自分なりの勝ちパターンを見つけていくことが、安定した利益への近道となるでしょう。

[筆者]
岡田禎子(おかだ・さちこ)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。さまざまなメディアに執筆するほか、セミナー講師も務める。現在テレビ東京系で放送中のドラマ「インベスターZ」の脚本協力もしている。 日本証券アナリスト協会検定会員(CMA) ファイナンシャル・プランナー(CFP ®)

※当記事は「株の窓口」の提供記事です
kabumado_logo200new.jpg

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米バークシャーによる株買い増し、「戦略に信任得てい

ビジネス

スイス銀行資本規制、国内銀に不利とは言えずとバーゼ

ワールド

トランプ氏、公共放送・ラジオ資金削減へ大統領令 偏

ワールド

インド製造業PMI、4月改定値は10カ月ぶり高水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 8
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 9
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中