最新記事

投資の基礎知識

株価はどうなる? 決算発表前・直後・発表後にそれぞれすべきこと

2019年3月12日(火)06時35分
岡田禎子 ※株の窓口より転載

Drazen_-iStock.

<3か月に一度やってくる企業の決算発表は、株価が大きく変動する要因。だが決算内容が良ければ株価が上がる......とは限らないのが難しいところ。決算シーズンを生き延びるには何をどうすべきか>

決算シーズンは乱高下しやすい

株式市場では、決算シーズンが最も株価の振れ幅が大きくなります。かなり良い決算内容なのに下落することもあれば、どんなに業績が悪くても急騰することも多々あります。平穏だった株価が突如として乱高下し、市場が大荒れになることも。まるで、毎年夏にやってくる台風のようです。

ならば、事前に備えておくことが重要です。特に近年は、決算発表後の株価の振れ幅が一段と大きくなっていると言われます。それはなぜなのでしょうか? 決算シーズンで大きく負けないためのポイントをタイムラインに沿って解説します。

【事前準備】決算日と決算発表日を確認する

何よりもまず、決算発表がいつなのかを確認しておきましょう。日本では3月を決算期とする企業が多いため、ここが波乱の一大決算シーズンとなります。

ただし、「決算日」と「決算発表日」にはズレがあります。企業は決算日から45日以内に発表しなければならないため、3月期決算の企業にとって、決算発表のピークは4〜5月半ばです。上場企業の約7割が決算発表を迎えるこの時期が、一年で最も注意すべき時期だと言えます。

ただし、最近では12月を決算期とする企業も増えています。決算発表のスケジュールは、ヤフーファイナンスや証券会社のサイトなどに便利なカレンダーが掲載されていますので、事前に確認しておきましょう。

決算発表は年に一度じゃない――四半期決算も要注意

さらに、上場企業は四半期ごと(3か月ごと)にも決算を発表します。3月期決算の場合、4月から翌年3月までを1年度としますので、4〜6月期が第1四半期決算、7〜9月期が第2四半期決算(中間決算)、10〜12月期が第3四半期決算、1〜3月期が第4四半期決算(本決算)となります。

四半期は英語では「Quarter(クオーター)」ですので、カレンダーなどでは、例えば第1四半期を「1Q」と表記していることもあります。

株価に影響を与えるのは本決算だけではありません。本決算を見据えた第3四半期決算の内容が株価を大きく動かしたり、中間決算で発表された業績が投資家に衝撃を与えたりした例もあります。決算発表は3か月に一度やってくる恒例イベントとして、普段から意識しておくことが大切です。

(参考記事:決戦は金曜日? 投資家が知っておきたい、決算発表のルールと思惑)

【決算発表前】買いポジションを調整する

決算シーズンの戦略のひとつとして、中長期的に株価が上がっていくと自信のある銘柄以外は手放す、というのも有効な手段です。決算発表前に上昇している銘柄の場合、決算発表が株価のピークとなることが多いからです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国人民銀には追加策の余地、弱い信用需要に対処必要

ビジネス

訂正(17日配信記事)-日本株、なお魅力的な投資対

ワールド

G7外相会議、ウクライナ問題協議へ ボレル氏「EU

ワールド

名門ケネディ家の多数がバイデン氏支持表明へ、無所属
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 5

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 6

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 7

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 8

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中