最新記事

キャリア

お金持ちになりたいなら、節約・貯金してはいけない

2018年11月19日(月)16時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

誰もが貯金ばかりする社会では、誰も豊かになれない

お金持ちになるために必要なのは、どんな仕事で稼ぐか、どう投資してリターンを得るかということ以前に、まずはお金持ちのマインドセットを持つことなのかもしれない。だから柴田氏、竹松氏によるこの本でも、金融資産の増やし方に関するアドバイスに入る前に、お金をどう考え、どう使うかを丁寧に説明している。

残念なことに、これまで日本ではお金の使い方について学ぶ機会がほとんどなかった。それに加えて、「貯金すべき」という無意識の圧力を自分にかけてしまい、お金を使うこと自体に躊躇したり、罪悪感を覚えたりする人が少なくないようだ。

だが、それが結果的に、どんなに貯金しても豊かになれない要因となる。

考えてみてほしい。誰もが貯金ばかりしてお金を使わないと、経済が回らず、あなたの元にお金は入ってこない。お金を使う人がいなければモノが売れず、企業の利益は伸びず、給料も上がらない。だから、自分がもっと稼ぎたければ、まずは自分がもっとお金を使うことから始めるべきだ。

そうは言っても、お金を手放すのは難しい。そこで、著者たちはこう言う。


(前略)今手元にあるお金は、「預かっている」と表現することもできます。今は一時的に自分のところにあるけれど、そのうち使って、別のだれかのもとに行くことが、あらかじめ決まっているからです。(中略)そもそも「自分のもの」にはなっていないのです。お金は、だれのものでものでもないのです。(196~197ページ)

そのうえで、もし放置したままの定期預金やタンス貯金があるなら、まずはそれを使ってみることを勧めている。「貯金はお金が眠っている」と言われるが、著者たちに言わせれば「死んでいるも同然」だ。

だが幸い、お金は生き返る。死に金を蘇らせることから始めてみてはどうだろうか。

dekidekibook_cover200.jpg
『デキない人のお金の使い方 デキる人のお金の使い方』
 柴田博人×竹松祐紀 著
 CCCメディアハウス

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中