最新記事
中国経済

中国経済に予想外の追い風...米中関税戦争中なのに「輸出ブースト」の背後にあるもの

China's Economy Gets Surprise Lift from Trump's Trade War

2025年7月16日(水)17時35分
ヒュー・キャメロン
中国国旗と港湾

中国はトランプ関税の最大の標的の1つだ FOTOGRIN-shutterstock

<トランプ政権と合意した関税戦争の「一時停戦」が中国貿易に活況を生んでいるが、関税引き上げ停止の期限は8月に迫っている>

アメリカとの関税交渉の期限が迫るなか、中国経済に思いがけない追い風が吹いた。6月の輸出額が急増しているのだ。

中国税関の7月14日の発表によれば、2025年6月の貿易黒字は1148億ドルで、市場予想の1090億ドルを上回る結果となった。前月比(1032億ドル)や前年同月比(991億ドル)で黒字幅は拡大している。


輸出額は前年同月比5.8%増の3252億ドルで、5月の4.8%増から伸びが加速し予想を上回った。一方、輸入額は1.1%増の2104億ドルと微増し、5月の3.4%減から増加に転じた。

この予想外の活況は、米中貿易戦争の一時停止中に起こったものだ。米中両国は8月12日までに貿易協議の合意もしくは交渉の進展を目指している。

アナリストらは6月の輸出増は輸出業者が「停戦期間」を用いて出荷を急いだためだと分析している。また、貿易戦争によって5月の受注が落ち込んだ反動もあるという。

先端医療
手軽な早期発見を「常識」に──バイオベンチャーが10年越しで挑み続ける、がん検査革命とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、シリア首都を空爆 米「戦闘まもなく停止

ビジネス

6月米製造業生産0.1%上昇、高関税措置の影響続く

ワールド

フーシ派向けイラン製武器押収、イエメンの対抗勢力=

ワールド

トランプ氏、FRB議長解任の「計画なし」 解任の公
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏にも送電開始「驚きの発電法」とは?
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 5
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 6
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 7
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 8
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 9
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 10
    「死ぬほど怖かった...」高齢母の「大きな叫び声」を…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中