失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料高騰問題」の深層

Tesla Insurance Costs Could Surge Amid Anti-Elon Musk Vandalism

2025年3月17日(月)14時10分
ジュリア・カルボナーロ

テスラの保険料はいくらかかるのか?

最も安いモデルであるテスラ・モデル3の価格は3万5000ドルからであり、マスク氏のEVは決して市場で最も手頃な価格ではない。それに加え、テスラの自動車保険はすでに多くの車よりも高額になっている。

2025年3月のBankrateのデータによると、2023年モデルのテスラ・モデル3に対するフルカバー保険の年間平均費用は3495ドルに達している。「これはトヨタ・カムリの全国平均2678ドルよりも年間約800ドル高い」と、Bankrateの保険アナリストであるシャノン・マーティン氏は本誌に語った。

「しかし、モデルXやS プラッドのドライバーはさらに高額な保険料を支払っている。比較すると、BMW i4の保険料はモデル3と同程度で、フルカバーの年間平均費用は3792ドルとなっている」とマーティン氏は補足した。

Insurifyのデータジャーナリストであるマット・ブラノン氏によると、現在、EVの保険料はガソリン車と比べて平均23%高くなっており、年間フルカバーの平均コストは3430ドルに達している。

「2025年2月時点で、テスラ・モデル3、モデルY、モデルXは、最も保険料が高いEVとなっている」とブラノン氏は述べた。Insurifyのデータでは、テスラ・モデル3のフルカバー保険料は昨年から30%増加し、年間4362ドルとなった。

「これは、同クラスのメルセデス・ベンツAクラスよりも25%高いコストとなる。2025年のテスラ・サイバートラックの年間フルカバー保険料も3813ドルに達した」とブラノン氏は付け加えた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、民主党主導4州提訴 気候変動関連法の

ワールド

石破首相、国益譲ってまで早期妥結望ます 関税協議で

ワールド

ウクライナ紛争の早期終結予想せず、当事国次第=米副

ワールド

マスク氏のミサイル防衛システムへの関与で調査要請=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中