最新記事
米経済

米専門職向け「H-1B」ビザ「手数料1500万円」の新大統領令...直後に軌道修正、パニックと怒り

2025年9月21日(日)17時41分
ドナルド・トランプ米大統領

パニック、怒り、失望──。トランプ米政権が外国人労働者抑制の一環として打ち出した、高度な専門技能を持つ人向けの就労ビザ「H-1B」の巨額手数料が大きな波紋を生んでいる。ウィスコンシン州ケノーシャで2017年4月撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

パニック、怒り、失望──。トランプ米政権が外国人労働者抑制の一環として打ち出した、高度な専門技能を持つ人向けの就労ビザ「H-1B」の巨額手数料が大きな波紋を生んでいる。ホワイトハウスが大統領令が署名された翌日に同制度について「軌道修正」したが、ビザ保有者や企業の混乱は続きそうだ。

19日に署名された大統領令では、H-1Bビザの従業員を雇用している企業に年10万ドルの手数料を課すとしていた。ラトニック商務長官は同日、手数料は毎年徴収することになると述べたが、詳細をまだ検討中と説明した。

ハイテク、金融などH-1Bビザ保有者を多く抱える企業は、21日の新規制施行を前に対応に追われた。マイクロソフト、アマゾン、グーグルの親会社アルファベットは社員向けの緊急メールで同ビザを保有する従業員に米国に留まるよう勧告。ゴールドマン・サックスは海外渡航に注意するよう促した。

翌20日、ホワイトハウスのレビット報道官はXへの投稿で、10万ドルの手数料は、新規の申請を対象とした1回限りの手数料で、既存のビザ、ビザの更新には適用されないと説明した。現在国外にいる同ビザ保持者が米国に再入国する際に10万ドルを請求されることはないと述べた。ホワイトハウスが同日に公表したファクト・シートは、「国益にかなう」場合はケース・バイ・ケースで新規申請でも10万ドルの手数料が免除されることがあるとしている。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

追加利下げに慎重、政府閉鎖で物価指標が欠如=米シカ

ビジネス

英中銀総裁「AIバブルの可能性」、株価調整リスクを

ビジネス

シカゴ連銀公表の米失業率、10月概算値は4.4% 

ワールド

米民主党ペロシ議員が政界引退へ 女性初の米下院議長
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの前に現れた「強力すぎるライバル」にSNS爆笑
  • 4
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 5
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 6
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 9
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 10
    ファン熱狂も「マジで削除して」と娘は赤面...マライ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中