最新記事
仕事術

なぜ「経営理念」だけでは稼げないのか?...仕事は「中間システム」の具体化がカギだった

2023年11月11日(土)09時22分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

営業部の人事評価制度を作るにはこれらの問いに答えなければいけないが、どれだけ探しても、絶対的な正解は見つからない。

好調な大企業のマネをしてもうまくいかない。すべての企業は業種・業態・ビジネスモデル・歴史・企業風土などがそれぞれ違うため、最適な中間システムもまたそれぞれ違うのだ。そして、中間システムを作るにあたって立ち戻るべき指針が「経営理念」である。

売上が大切か、信頼が大切か。その判断はケースバイケースだが、経営理念に「私たちは、お客様との信頼関係を大切にします」とあれば、やはり信頼が大切だ。営業方針を作るにしろ、人事評価制度を作るにしろ、お客様との信頼関係をベースに考える必要があることが分かる。(図4)

zu4-20231107.jpg

経営理念の実現とは中間システムの「具体化」

逆に言えば、経営理念とは、中間システムに具体化しない限り実現されない。「お客様との信頼関係を大切にします」という経営理念は、「営業方針」「ブランド戦略」「人事評価制度」などに具体化されて初めて実現される。

結局のところ、経営理念が必要な理由は「社員の意識を統一するため」というような抽象的なものではない。「経営理念なしでは、営業方針もブランド戦略も人事制度も作れない」という非常に実用的な理由なのだ。

経営理念はまた、中間システムに安定性を与える。もしも何かしら中間システムが不明瞭になったとき、あるいは機能していないと感じられたとき、経営理念に立ち戻ることができるからだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

フィリピン、大型台風26号接近で10万人避難 30

ワールド

再送-米連邦航空局、MD-11の運航禁止 UPS機

ワールド

アングル:アマゾン熱帯雨林は生き残れるか、「人工干

ワールド

アングル:欧州最大のギャンブル市場イタリア、税収増
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 9
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中