韓国電池材料L&F、テスラとの契約額大幅引き下げ EV不振影響か
韓国の電池素材大手L&Fは29日、米電気自動車(EV)大手テスラとの間で2023年に締結した供給契約について、金額が当初見込みの29億ドルから7386ドルに縮小したと発表した。理由は明らかにしなかった。写真はテスラのロゴ。7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Hyunjoo Jin Heekyong Yang
[ソウル 29日 ロイター] - 韓国の電池素材大手L&Fは29日、米電気自動車(EV)大手テスラとの間で2023年に締結した供給契約について、金額が当初見込みの29億ドルから7386ドルに縮小したと発表した。理由は明らかにしなかった。
L&Fは23年、24年1月から25年12月までにテスラとその関連会社に高ニッケル正極材を供給する契約を締結したと発表した。関係筋とアナリストによると、L&Fはテスラの車載用円筒形リチウムイオン電池「4680」向けに主要材料を供給する予定だった。
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は20年に、より低コストの4680を大量生産する計画を発表。この取り組みが約3年以内に価格が2万5000ドルの完全自動運転車を製造する構想を後押しすると説明した。
しかしEVの需要が鈍り、テスラは4680の生産・開発の拡大に苦戦したため、当初見込まれたほど多くの正極材をL&Fから購入する必要がなくなったと見られる。
テスラは現在、「サイバートラック」に4680を搭載しているが、サイバートラックの売れ行きは鈍く、販売実績は年間数十万台と見込んだマスク氏の予測を裏切っている。
マスク氏は車載電池を製造するのに用いられる「ドライ電極」と呼ばれる新しい電池製造技術の開発に課題があることも認めている。
一部の電池供給業者は米政府が9月にEV補助金を打ち切ったことを受けて、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターとの合弁事業の終了もしくは縮小や注文のキャンセルを明らかにしている。
韓国の電池大手LGエナジーソリューションは、フォードおよびフロイデンベルグ・バッテリー・パワー・システムズとの電池供給契約の打ち切りにより、売上高予想のうち約13兆5000億ウォン(94億1000万ドル)を失う見込み。これは昨年の売上高25兆6200億ウォンの半分を超える額に相当する。
韓国の電池大手SKオンも今月、米国で電池を製造するフォードとの合弁事業の終了を決めたと発表した。





