最新記事

日本経済

東京株式市場、日経平均は4日続落429円安 日銀金融政策発表後に乱高下

2020年3月16日(月)16時20分

3月16日、東京株式市場で、日経平均株価は4日続落した。写真は都内で13日撮影(2020年 ロイター/ATHIT PERAWONGMETHA) 

東京株式市場で、日経平均株価は4日続落した。日銀が金融政策決定会合を前倒しで開催することが伝わり朝方から様子見ムードが続いたが、午後2時過ぎに日銀が会合結果を発表したことを受けて乱高下した。終値ベースでは2016年11月9日以来約3年4カ月ぶりの安値を付けた。

米連邦準備理事会(FRB)が15日、政策金利をゼロ付近に引き下げ債券買い入れを再開するとしたほか、危機時の対応手段の活用に踏み切った。新型コロナウイルスのパンデミックによる景気悪化を下支えするため、世界の主要中銀と協調した。

FRBの緊急利下げに対して米国株先物が崩れたこともあり、日銀の緊急会合の結果を見極めたいとする向きが多かった。日経平均は小反発で寄り付いた後、前場引けにかけて前日終値近辺で一進一退となった。

後場もしばらくは小動きが続いていたが、午後2時過ぎに日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れ額の上限を従来の年6兆円から12兆円に倍増すると発表すると動意づいた。マイナス圏だった日経平均はプラス転換すると上げ幅を一気に300円超に拡大。その後、伸び悩み、再びマイナス圏に沈むと一時500円超安となる荒い値動きとなった。

日銀は手札が限られる中でできることはすべて行ったとの声がある一方、買い入れ増額の持続性には疑問の声も出ている。「12兆円を上限にETFの残高増加ペースを引き上げるとしているが、脚注をみると原則的な買い入れペースは引き続き年間6兆円ペースとしている。新型コロナ次第だが、一時的な買い入れ額の上振れはあっても、持続性は低い可能性がある」(ニッセイ基礎研究所のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏)との指摘がある。

TOPIXは4日続落。東証33業種中27業種が値下がりし、ゴム製品、電気機器、輸送用機器、保険などが値下がり率上位に入った。空運、証券、水産・農林などは値上がりした。

東証1部の騰落数は、値上がり1019銘柄に対し、値下がりが1098銘柄、変わらずが49銘柄だった。

日経平均

終値      17002.04 -429.01

寄り付き    17586.08

安値/高値   16,914.45─17,785.76

TOPIX

終値       1236.34 -25.36

寄り付き     1268.39

安値/高値    1,231.67─1,288.47

東証出来高(万株) 234569

東証売買代金(億円) 33191.04

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルスでマニラ事実上の首都封鎖 初日の検問所には軍も動員、テロ警戒か
・韓国、新型コロナウイルス新規感染が2桁に減少 入国者への対策強化へ
・イタリア、新型コロナウイルス感染者1.7万人超 死者1266人で前日から25%増


20200324issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドネシア貿易黒字、8月は約3年ぶりの大きさに 

ワールド

インド中銀、資本市場と大企業向けに銀行融資促進策 

ワールド

アルゼンチン支援巡り米政権内で異論も、14日に首脳

ビジネス

日銀9月短観、大企業製造業の業況2期連続改善 関税
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけではない...領空侵犯した意外な国とその目的は?
  • 3
    【クイズ】身長272cm...人類史上、最も身長の高かった男性は「どこの国」出身?
  • 4
    なぜ腕には脂肪がつきやすい? 専門家が教える、引…
  • 5
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 6
    通勤費が高すぎて...「棺桶のような場所」で寝泊まり…
  • 7
    10代女子を襲う「トンデモ性知識」の波...15歳を装っ…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    カーク暗殺の直後から「極左」批判...トランプ政権が…
  • 10
    アメリカの対中大豆輸出「ゼロ」の衝撃 ──トランプ一…
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 10
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中