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風刺画で読み解く中国の現実 Superpower Satire (CHINA)
政府の都合に合わせて国民が子供を産む中国、少子化の先の未来は?

©2021 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN
<多いほど良い→2人っ子→1人っ子→3人っ子? 「計画生育」を続けてきた中国は少子高齢化を迎えてどう変わるのか>
「千呼万喚始出来、猶抱琵琶半遮面(呼び立てられて出てきても、なお琵琶を抱いて顔を半分隠している)」
唐代の詩人・白楽天(白居易)によるこの漢詩「琵琶行」の名句は、先日公表された中国の人口調査にふさわしい。発表が遅れただけでなく、データも矛盾だらけだったからだ。
中国国家統計局が発表した2020年までの0~14歳人口は2億5338万人。ところが、ある中国人ネットユーザーが2005~19年の15年間の出生人口を確認して20年の新生児数を算出したところつじつまが合わず、本来あるべき数字の2倍以上に当たる2819万人にも達することが分かった。
人口減少を恐れる権力者の機嫌を取るための噓ではないか──と、みんな疑った。ただし、どんなに機嫌を取ろうとしても、中国が既に人口衰退期を迎え、少子高齢化社会に入ったことは否定できない事実だ。
新中国成立直後の1950年代初め、毛沢東は「人が多いほど力も大きい」と唱え、子供をたくさん産んだ女性を「英雄母親」として表彰した。その結果、1949年に5億4000万だった中国の人口は20年後の69年に8億を超えた。70年代に入って政府は「2人っ子」を唱えたが効果がなく、79年に「計画生育」「1人っ子政策」を国策にした。
このような歴史を振り返ると、仮に若い世代の夫婦が子供を望まなければ、政府は必ず「2人っ子」「3人っ子」を強要するだろう。「1人っ子」に限らず、子どもを何人産んだらいいのか政府によって決まるのが「計画生育」だ。
少子化による高齢化も問題だ。1人っ子政策の時代、「只生一个好 政府来养老」(1人だけ産めばよい、老後の生活は政府が面倒を見る)というスローガンがあったが、今は「养老不能只靠政府」(老後の生活は政府ばかり頼りにするな)に変わった。中国政府は「孝」という伝統的価値観を利用し、本来は政府が持つべき責任を若い世代に転嫁し始めている。
「もし中国の人口ボーナスが消えたら未来はどうなるのか」と懸念する中国人がいるが、その前に独裁者の使うさまざまな洗脳・宣伝教育や強制的な政策を心配するのが先だろう。
ポイント
停下来!
现在要鼓励他们生孩子啦!/计划生育/老龄化社会
止まれ! 今は彼らに子供を産んでもらわないといけないんだ!/計画出産/高齢化社会
中国の人口ボーナス
人口ボーナスとは生産年齢人口に対する従属人口(子供と老人の合計)の比率が低下し経済成長を促す状態。中国は生産年齢人口の15~59歳が63.35%となり、従属人口の36.65%との比率が人口ボーナスの目安の2倍を切っている。
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