- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- ハーレー不買運動を煽るトランプの危険な兆候
ハーレー不買運動を煽るトランプの危険な兆候
そこでは、革ジャンにタトゥー、そして髑髏マークなどに身を固めたアメリカの「バイク野郎」たちが一斉に「USA、USA」であるとか「さらに4年(大統領にもう一期やってほしいという意味)」などと叫びつつ、「ハーレーの不買運動」を呼びかけていたのです。
トランプ大統領はこれに同調していました。ハーレーダビッドソンのファンであるはずの、アメリカの「バイク野郎」たちが、ハーレーの悪口を叫び、アメリカの大統領が自国を代表するブランドの製品について「不買運動」を煽るという異常な光景がそこにはありました。
これに対して、アメリカの保守政治家として大統領候補にもなっているウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事は「もちろん、反対だ」と述べています。というのは、ウィスコンシン州にはハーレーダビッドソンの工場があるからです。そして、アメリカ国内向けの製品については、これ以降もウィスコンシンを中心とした国内生産を続ける、同社はそのように表明しているからです。
大統領が扇動してハーレーの不買運動が起きれば、困るのはまさにウィスコンシンの人々であり、めぐりめぐってアメリカ経済が被害を受けます。テレビの経済専門局(例えばCNBC)では、「ハーレーを買うなというのなら、カワサキやホンダを買えというのか?」とキャスターが困惑した表情を浮かべていました。
大統領の作戦は単純で、「とにかく貿易戦争には勝つ」、そのためには「海外生産移行は敗北主義でありアメリカ・ファーストでない」ことをハッキリしたいというわけです。この「ハーレー問題」と同時並行で、トルコとの確執も激化しており、トルコの通貨リラの下落も発生しました。
中間選挙を控える中で、トランプ劇場はエスカレートし続けています。経済ナショナリズムもここまで単純化されると、差し迫った恐怖を感じます。こんなことを続けていれば、ある瞬間に「政権が経済の最大のリスク」という合意から株の大暴落が起きても不思議はないからです。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
トランプのイラン空爆と、米民主党のさらなる左傾化 2025.06.26
イラン攻撃への関与で真っ二つに割れるトランプ支持層 2025.06.18
天才的なヒラメキとともに躍動する姿を見せ続けた......長嶋茂雄の愛された時代 2025.06.04
混乱回避に成功した米ニューアーク空港と航空行政 2025.05.28
「外国免許切替」制度の厳格化は必要、だが事故防止はまた別の問題 2025.05.21
分裂深める米民主党に、国政奪還の可能性は見えてこない 2025.05.14
-
「外資系」ITヘルプデスク「英語:中級以上」/ITコンサルティング
エイラシステム株式会社
- 東京都
- 年収400万円~650万円
- 正社員 / 契約社員
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
外資系サーバー 構成見積支援業務/テレワークあり 外資系サーバー 構成見積支援業務/ITサービス会社/Excel
株式会社スタッフサービス
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員
-
外資インフラベンダー PM/システムエンジニア/詳細設計/サービス関連の会社/Windows
株式会社スタッフサービス
- 東京都
- 月給23万5,000円~55万円
- 正社員