関税とユーロ高、「10%」が輸出への影響の目安=ラトビア中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁(写真)は30日、米国が欧州製品に10%の関税を課し、ユーロの対ドル相場が同程度ないしそれ以上上昇するとユーロ圏の輸出に多大な影響が出ると予想した。2022年撮影(2025年 ロイター/Ints Kalnins/File Photo)
[シントラ (ポルトガル) 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁は30日、米国が欧州製品に10%の関税を課し、ユーロの対ドル相場が同程度ないしそれ以上上昇するとユーロ圏の輸出に多大な影響が出ると予想した。
海外での関税の上昇と通貨高は輸出品を割高にする。
カザークス氏はロイターに、「10%の関税と10%強のユーロ高は輸出力学に影響を与えるのに十分な規模だ」と述べた。
ユーロ/ドルは年初から13.8%、4月初めから8.9%上昇した。
ユーロ圏経済については「若干の成長」は見られるものの「弱い」と指摘。インフレ率はECBの目標である2%に「おおよそ」達しており、「金利調整は大部分が終わっている」と従来の見解を繰り返した。「われわれがベースラインにとどまっているという前提で、さらに引き下げるとしても小幅でシグナル的なものになる」と述べた。
ECBの最新のベースライン予測では、インフレ率は今年、目標の2.0%に達し、26年には1.6%に低下し、27年に2.0%に戻るとされている。
カザークス氏は、中国が欧州向け商品を「ダンピングし始めている」と指摘し、それはインフレを押し下げ欧州の競争力を弱めると述べた。