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なぜアメリカはFIFA汚職の摘発に踏み切ったのか?
例えば、18年のロシアW杯は現在の米ロ関係から見てあらためて賛成できない、22年のカタールW杯も湾岸の治安を考えると適当な場所ではなくなったというようなファクターはあるでしょう。ですが、それは主要な理由ではないと思います。
では、野球やアメリカンフットボール、そしてバスケットボールの人気が高いアメリカとして、国際的なサッカー人気に水を差したいというような意図があるのでしょうか? これは違うと思います。そんなことをするメリットはアメリカにも、オバマ政権にもないからです。
ここからは私見ですが、オバマ政権は「ヒスパニック系有権者」を意識して動いていると思います。ヒスパニック系人口のサッカー人気というのは絶大で、彼等の出身国のナショナルチームの動向、あるいは出身国の国内リーグ、あるいはコパ・アメリカやW杯なども、非常に重大な関心事です。
今回の摘発は、アメリカの非ヒスパニック系にとっては、サッカー人気に水を差す作用が多少はあるかもしれませんが、そもそもサッカーの熱狂的なファンであるヒスパニック系に対する影響は異なると考えられます。それは、自分たちの愛するサッカーが「欧州やアメリカの金持ちによって歪められている」という思いから、ヒスパニック系住民にオバマ=リンチの「国策捜査」が支持されるという可能性です。
彼等としては、サッカーを愛するがゆえに、そのサッカーがあまりにも巨額な金によって汚れているのであれば、そこにメスを入れるのが「米司法当局」であることには、快哉を叫ぶのではないかというわけです。同時に、サッカーにはそんなに興味はない非ヒスパニック系のアメリカ人にとっても、ヨーロッパの腐敗した貴族的な人々をアメリカの司法が裁くという「ドラマ」は、どちらかと言えば歓迎されると思います。
さらに言えば、欧州各国としてはサッカーと言うビジネスの存在感が大き過ぎて手が出せない一方、アメリカではそれが可能だということ、それ以前の問題として、アメリカの当局としては看過できないような悪質で大規模な容疑ということはあると思います。
そうしたファクターを考慮しつつ、オバマ政権、特にロレッタ・リンチ司法長官は、ある種の「劇場型捜査」に踏み切った――。現時点はまだ分かりませんが、そんな文脈で今後の展開を見ていくことができると思います。
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