石破首相の本音が透けて見える、西田「ひめゆり」発言への甘さ

今回のAIイラスト:遠慮が過ぎると操り人形に見えてしまいますよ AI GENERATED ART BY NEWSWEEK JAPAN VIA DALL-E
<一度は「許し難い」と憤ったはずなのに...石破首相の西田議員への甘さにはある打算が透けて見える、とプチ鹿島氏は指摘します>
自民党の西田昌司参院議員が沖縄県内で「ひめゆりの塔」の展示をめぐり「歴史の書き換え」などと誤った発言をした件。あり得ない内容だが、一方で私は「自民党内でどんな反応や声が出るのか?」を注視した。そこに本音が透けて見えるからだ。
まず小渕優子・沖縄振興調査会長。「沖縄戦を経験した沖縄県の皆さんの心を傷つけてしまった。本当に残念」「我々の認識とは全く違う一議員の発言とご理解いただきたい」と述べ、西田氏にひめゆりの塔を訪れるよう促した(毎日新聞5月9日)。
さすがだと思ったが、「?」と感じたのがこの後だ。数日後に西田氏が発言を一部撤回・謝罪したが、その「謝罪」とは「あの場でひめゆりの塔を持ち出して話すことが、県民の心に傷を負わせた」というもの。「発言は事実」と繰り返した。
つまりあの場でしゃべったことは謝罪するが、「歴史の書き換え」発言や「沖縄の場合は地上戦の解釈を含めてかなりむちゃくちゃな教育をされている」との部分については撤回しないと明言したのである。
小渕氏はこれを受けて「本人が反省をして撤回しおわびした」と述べた。その認識で本当にいいのか? 西田氏に沖縄の歴史を問わずにさっさと終わらせようとしていないか?
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