日本とフィリピンを結んだアキノ前大統領──皇室との交流が開いた新地平

華麗な出自ながら気さくな人柄で評価されていたベニグノ・アキノ(2017年12月) DONDI TAWATAO-REUTERS
・先日死去したフィリピンのアキノ前大統領は在任中、日本との関係強化を進めた。
・その背景には、海洋進出を進める中国との対立があった。
・しかし、アキノがプロモートした皇室との交流は、日本とフィリピンの関係に、実利的協力を超えた新たな次元を切り開いたといえる。
フィリピンのアキノ前大統領は日本との関係を強く意識した政治家だった。とりわけ2016年1月に当時の天皇・皇后両陛下の戦没者慰霊の旅をプロモートしたことは、日本とフィリピンの関係に新たな次元を開くものだったといえる。
名門一家の長男として
2010年から2016年までフィリピン大統領を務めたベニグノ・アキノ3世が6月24日、死去した。
現在のロドリゴ・ドゥテルテ大統領は麻薬ギャングの銃殺を容認したり、女性蔑視などのきわどい発言を繰り返したりするなど、良くも悪くもとにかく型破りだ。これと比べるとアキノには強烈なまでのリーダーシップはなく、日本での知名度は決して高くない。
しかし、ヘビースモーカーのアキノは大統領になってからも禁煙のレストランでは外に出てタバコを吸うなど、これまた良くも悪くも気さくな人柄や良識的な振る舞いに定評がある大統領だった。
その出自は華麗といってよい。アキノの父ベニグノ・アキノ・ジュニアは20年にわたって独裁政権を率いたフェルディナンド・マルコス(任1965-1986)に抵抗した上院議員で、1983年に暗殺された。母コラソン・アキノはそのマルコス体制を、民衆を率いた「ピープル・パワー・レボリューション」と呼ばれる革命で1986年に打倒し、その後大統領となった(任1986-1992)。
1987年に軍が起こしたクーデタではアキノ本人も銃撃され、一命を取り留めたものの、その時受けた銃弾の一発は終生アキノの首に埋まっていたという。
有名な独身貴族で、大統領就任直前にも20歳以上離れたテレビ番組の女性パーソナリティーと浮名を流すなど、フィリピン史上初めて未婚の大統領だった。これは家族の結びつきを重視するカトリックが主流のフィリピンでは異例で、ドゥテルテとは別の意味で自由だったといえる。
大国の狭間のフィリピン
その一方で、大統領としての仕事で注目すべきは、日本やアメリカとの関係強化に力を入れたことだ。その背景には、中国との関係悪化があった。
中国出身テロリストがシリア軍幹部に抜擢──それでも各国が黙認する理由 2025.05.26
世界に混乱をもたらす「トランプ関税」をロシアが免れたワケ 2025.04.09
同盟国にも牙を剥くトランプ大統領が日本には甘い4つの理由 2025.03.07
「核兵器を使えばガザ戦争はすぐ終わる」は正しいか? 大戦末期の日本とガザが違う4つの理由 2024.08.15
-
東京都港区/外資系企業での一般事務・庶務業務
日本アスペクトコア株式会社
- 東京都
- 月給22万700円~
- 正社員
-
テレワークあり 外資系サーバー 構成見積支援業務 神保町駅
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員
-
外資系企業のケータリングサービス 年休120日・土日祝休み・賞与あり/港区/土日祝休み/週3日OK
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~25万円
- 正社員
-
東京/外資系投資銀行のチーム秘書/土日祝休 年収350万円~ コミュ力活かせる/土日祝休み
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給25万円~30万円
- 正社員