コラム

「美白」クリームと人種差別──商品名の変更を迫られるコスメ産業

2020年07月02日(木)12時05分


黒人を賛美する者は、黒人を嫌悪する者と同じく『病む者』である。...自分の血統を白くしようと望む黒人は、白人への憎悪を説く黒人と同じく哀れむべき人間である。 (出典:『黒い皮膚・白い仮面』p31 翻訳版の日本語を一部変更)

つまり、そこで重視されたのは、誰かが作ったイメージで自分を無価値と思い込んだり、あるいは逆に慰めたりすることから、人間を解き放つことだったといえる。その意味で、#DarkIsBeautifulのなかでしばしば見受けられる「黒い方が美しい(ここでいう黒いはDarkであって黒人のBlackは含まない)」という主張は、「白人こそ最高」という価値観への反発ではあるが、結局呪縛から逃れられていないことになる。

インドの美白クリーム問題は、ファノンが示した道のりの険しさを、改めて示すものといえるだろう。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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プロフィール

六辻彰二

筆者は、国際政治学者。博士(国際関係)。1972年大阪府出身。アフリカを中心にグローバルな政治現象を幅広く研究。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。著書に『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、共著に『グローバリゼーションの危機管理論』(芦書房)、『地球型社会の危機』(芦書房)、『国家のゆくえ』(芦書房)など。新著『日本の「水」が危ない』も近日発売

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