イラン攻撃を命令しながら直前に撤回したトランプ――気まぐれか、計算か?

Lucas Jackson-REUTERS
・トランプ大統領はイランのレーダー基地などへの攻撃を命令したが、直前になって命令を撤回した
・そこには攻撃すると威嚇してイランを協議の場に引きずり出そうとしたが結果的に失敗した、という可能性と、直前になって影響の大きさを初めて真剣に考えた、という2つの可能性がある
・いずれの場合も、イランとの神経戦でアメリカが優位に立っていない点で共通する
トランプ大統領がイラン攻撃を命令しながら直前になってこれを撤回したことは、イランをめぐる神経戦でアメリカが優位に立っていないことを示す。
攻撃命令の撤回
トランプ大統領は21日、イランのレーダー基地などを標的とする攻撃命令を下した。これは20日、アメリカの無人偵察機グローバル・ホークがイラン近海で撃墜されたことを受けてのものだった。
これをいち早く報じたニューヨーク・タイムズによると、トランプ政権の内部ではポンペオ国務長官、ボルトン国家安全保障補佐官、ハスペルCIA長官らが攻撃に賛成していた一方、国防総省は「周辺地域に展開するアメリカ軍兵士を危険にさらす」と反対していた。
ところが、命令によってアメリカ軍が配備についたものの、直前になってトランプ氏は命令を撤回した。これはトランプ大統領が議会の上下両院の責任者らと会合を開いた後のことだった。
これに関してトランプ大統領は「軍からの報告で150人以上が死亡することが分かったので、10分前に止めた。無人偵察機が撃墜されたことと釣り合いが合わないからだ」と説明している。
なぜ撤回されたか
筆者は以前、アメリカにとってのイラン攻撃のリスクについて整理した。その観点からすれば、攻撃しなかったのは合理的な判断ともいえる。
とはいえ、トランプ大統領の説明を額面通り受け止めることはできず、多くの疑問が残る。
これも以前から述べてきたように、ペルシャ湾一帯で緊張を高めてきたのは、イランよりむしろアメリカだ。その意味で、「無人偵察機が公海上で撃墜された(イランは「無人偵察機が領空侵犯をしたと主張している)」ことは、攻撃には絶好の大義だった。このタイミングで急に釣り合いを持ち出されても、これまでイランに限らず相手との釣り合いを無視して一方的な行動を繰り返してきたのが他ならないトランプ氏であるだけに、違和感がある。
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