都議選の敗因を「誤解」する自民党、国難に直面する「重税国家」日本にいま必要なもの
「減税できない」→日本の財政状況は相対的に健全
一方、中東情勢の緊迫化の世界経済への影響は限定的であっても、「選挙の季節」を迎える日本は、自動車などへの米国による高関税賦課という、大きな経済リスクに直面している。
トランプ大統領らの関心は、当面中東情勢に傾斜しそうで、依然合意の道筋がみえていない日米の関税交渉は進展しないだろう。このまま米国による高関税政策が長びく可能性は高く、日本の国難は続きそうである。
22日に投開票が行われた東京都議選では、自公の国政与党が議席を減らす結果となった。6月10日コラム「強まる縁故資本主義...石破政権が『減税に一貫して否定的』な理由」では、減税に一貫して否定的な石破政権を批判的に取り上げた。
その後発表された参議院選挙の公約では、一人2万円の現金給付支給が自民党から発表された。個人消費を持続的に増やすには、恒久減税がより効果が大きいことは自明だが、自民党主流派の政治家は理解できないようである。
「減税する財源はない」「消費税は社会保障の維持に必要」なとど石破茂首相らは説明している。ただ、主要G5国の構造的財政収支(GDP比、2024年時点)を比較すると、日本の財政状況はかなり健全な位置にある。緊縮財政を長年続けていたドイツ(-2.2%)に次いで、日本(-2.5%)の財政赤字は小さい。イギリス(-4.5%)、フランス(-5.4%)、米国(-7.7%)であり、日本の財政状況は相対的にかなり健全である。
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