コラム

第三次大戦はもう始まっている...「死の4人組」と「戦争の根本的な変質」にどう立ち向かうべきか?

2025年05月31日(土)16時26分

国防費をGDP比の3.5%、国防関連インフラ1.5%の妥協案

フリードリヒ・メルツ新独首相は無制限の国防予算枠、今後10年で約1兆ユーロの借り入れによる歳出を可能にする基本法(憲法)改正を主導した。しかし国防費がGDP比で1%ポイント増えるごとに年450億ユーロの支出増になる。

マルク・ルッテNATO事務総長は従来の国防費をGDP比で3.5%に増額し、残り1.5%を国防関連インフラに投資する妥協案を示す。マルコ・ルビオ米国務長官は6月下旬のNATO首脳会議までに今後10年で国防費を5%に引き上げる目標に合意するよう圧力をかける。

英軍は4月1日時点で正規の訓練を受けた兵士の数は7万860人と前年比2.3%減と史上最低水準にまで縮小している。米国の「脱欧入亜」が加速する中、ロシアの脅威に対峙するためにはお題目だけでは済まされない。国防費のGDP比3.5%引き上げはもはや不可避と言えるだろう。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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