「トランプ関税」の起源は独立戦争? 日本人には理解不能な「行動原理」を、アメリカ史から読み解く
アメリカはモンロー主義時代に逆戻りしつつある
筆者はアメリカの内向き政策は既にオバマ政権の時代から顕著となっており、かつてのモンロー主義時代に逆戻りしつつあるとかねてから主張してきた。実際、国務長官に指名されるマルコ・ルビオ氏について、米メディアでは「新モンロー主義外交」という言葉で形容し始めている。
トランプ氏は交渉好きとされ、日本に対する高関税政策も、在日米軍駐留費の負担増など、他の交渉テーマとセットにしたパッケージ・ディールの材料にすぎないとの見方もある。そうした面があることは否定できないものの、アメリカ社会の根底に孤立主義への回帰という大きな政治的潮流があることについて認識しておく必要がある。高関税政策はアメリカにとって不利なので、いずれアメリカは音を上げるとは単純に考えないほうがよい。

アマゾンに飛びます
2025年7月15日号(7月8日発売)は「大森元貴『言葉の力』」特集。[ロングインタビュー]時代を映すアーティスト・大森元貴/[特別寄稿]羽生結弦がつづる「私はこの歌に救われた」
イラン攻撃が招いた「トランプ支持層」の分裂...米経済にも「意外な影響」が 2025.07.11
日鉄の「USスチール買収」は結局、成功だったのか? 完全子会社化、最終的な「勝者」は誰か 2025.07.04
なぜ産油国はトランプの方針に「乗った」のか...原油価格を大きく動かした「狙い」とは? 2025.06.19
トランプ関税、日銀にとっては「実はありがたい」? うまく活用できれば日本の消費者の助けに 2025.06.04