コラム

総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長」案は、なぜ避けて通れない議論なのか?

2024年05月15日(水)11時18分

生活できない高齢者が続出するのはほぼ確実

現時点において国民年金の給付額は月当たり約6万6000円だが、この金額は仕事を続けて収入を得ることを前提にしている。だが非正規社員に近い自営業者の場合、高齢になってから継続雇用される保証はなく、しかも経済的事情から保険料を満額納めることができない人もおり、こうした人が受け取る年金額はさらに低くなる。

今後はインフレが加速する可能性が高まっており、このままでは生活が成り立たなくなる高齢者が続出するのはほぼ確実である。年金の底上げを実施しなければ、結果的に生活保護の支出が増えるので、政府にとっては年金を増額するほうが望ましい。

納付期間を延長すれば、その分だけもらえる額も増え、現時点では年間10万円ほど受給額が従来より増えると予想されている。年間10万円と聞くと小さな額に感じる人もいるかもしれないが、わずかな年金しか受給できない高齢者にとって年間10万円は大きな違いだ。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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