コラム

まるでビジネスドラマ...日本の製造業「最後の至宝」の元社長を招聘した台湾ホンハイの真意

2023年02月14日(火)19時08分

シャープ買収時と現在では大きな違いが

鴻海は本社こそ台湾にあるが、郭氏は両親が中国本土出身の外省人であり、中国共産党から多大な支援を受けている。中国国内に多数の工場を展開していることも考え合わせると、同社は事実上の中国企業と認識したほうがよい。

シャープの経営危機は無謀な投資が招いた結果で、かつ日中関係も今ほど悪い状況ではなかった。このため鴻海によるシャープ買収は大きな社会問題にならなかった。

だが、日本電産はもの作りニッポンの最後の至宝ともいうべき企業で、しかも日中関係はかつてなく悪化している。米バイデン政権は対中輸出規制に日本も同調するよう強く求めており、日本と中国のビジネス環境は悪化するばかりである。こうした時期に発表された仰天人事だけに、さまざまな臆測を呼びそうだ。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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