【銘柄】「Switch 2」好調の任天堂にまさかの暗雲...AIブームによるメモリー価格高騰の影響はどこまで広がるか?
「Nintendo Switch 2」の好調さに反して任天堂の株価は低迷 Matthieu Tuffet - stock.adobe.com
<「Switch 2」の販売が好調なはずの任天堂の株価が下落している。背景にあるのは、生成AIブームによるメモリー価格の上昇。パソコンやスマートフォンにも波及する、半導体市場の構造変化とは>
任天堂<7974>の株価が低迷期に突入しています。次世代ゲーム機「Nintendo Switch 2」の収益性悪化への懸念が広がり、株価は8月の直近高値から3割も下落。12月22日の終値は前日比3.8%安の10,245円となり、この7営業日で10%を超える大幅下落となりました。

この株価下落の背景には、AI(人工知能)ブームによる半導体市場の構造変化があります。ゲーム機に使用されるメモリー部材の価格が急騰し、「Switch 2」の利益率を大きく圧迫する可能性が警戒されているのです。
利益率悪化を招くメモリー問題
ブルームバーグが報じたところによると、「Switch 2」に搭載される12ギガバイトのRAMモジュールの価格は、今期だけで41%も上昇しました。さらに、本体に内蔵される長期記憶型メモリーのNANDストレージも約8%値上がりしています。
台湾の市場調査会社トレンドフォースは、2026年に「Switch 2」のメモリー関連コストが総製造コストの21%から23%に達する、と予測しています。ゲーム機全体の原価は、2025年第1四半期から2026年第3四半期にかけて15%上昇する見込みです。
今年6月に発売が開始された「Switch 2」は、前モデルを上回る販売ペースを記録しているとされます。しかしながら、このコスト増により利益率の大幅低下が懸念されています。
AI向け需要増で変わる半導体市場
メモリー価格が世界的に高騰している主因は、急拡大するAI需要にあります。AI技術の学習や推論処理に必要なデータセンターの建設計画が世界中で進んでおり、高速データ処理に欠かせない「広帯域メモリー(HBM)」への需要が急増しています。
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