コラム

新興国で日本車が売れなくなる? EV技術と中国の支援で、現地「国産車」続々

2022年01月19日(水)17時52分

途上国におけるナショナリズム的なEV普及を後押ししているのは実は中国企業である。エジプトのナスル社は中国の東風汽車と生産協力を行っており、ウガンダのキイラ社は同じ中国の恒天集団から技術移転を受けた。ベトナムのビンファースト社も中国の蓄電池メーカー国軒高科と提携している。

iPhoneの生産で知られ、シャープを買収した鴻海(ホンハイ)精密工業は、顧客が自由に独自EVを製造できる共通プラットフォームを提供している(鴻海は台湾企業だが、中国政府から支援を受けており、限りなく本土の企業に近い)。この仕組みを使えば技術力に乏しい企業でも容易に自社ブランドのEVを開発・製造に乗り出せる。

中国はあえて黒子に徹することで、新興国での実質的なEV市場の覇権を狙っているとみてよいだろう。日本メーカーはこうした取り組みをほとんど行っておらず、自社ブランドの製品販売を大前提にしている。多くの新興国が国産EVの開発に乗り出せば、これまで日本企業が確保していた新興国市場の多くを失うことになるかもしれない。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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